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* story 2 ページ2





「ただいまー」



学校が終わり、家に帰るとテーブルには置き手紙。






"Aへ。

ママとパパ、結婚記念日の旅行へ行ってきます♡

ご飯は置いてあるお金で買って食べてね。

大樹とちゃんと分けること!!! まま。 "






「結婚記念日かぁ…」





6月の15日。 明日はママとパパの結婚記念日で、ハワイに。

確か今日出発して、明日の夜には着くとか行ってたっけ。





大樹「あ、姉ちゃんおかえり」




これは、弟の大樹。

一つ年下の弟で、同じ高校。

今は高校一年生になる。




「ご飯食べた?」



大「まだ食べてない」



「じゃあ、私が作るね。明日のお弁当の分も残しておきたいし」




明日のお弁当。

私は基本パンとかで済ませちゃうのに、実はちょっと前に…







北「え、Aが作ったお弁当食べたい」



「いいよ!迷惑じゃなければ北人くんのぶんも作ってこようか?」




北「まじで!?やったぁ!」






あの笑顔で喜ばれたら、嫌でもnoと言えなくなる。

それに、初めて喋ったけどとてもいい感じの人で、仲良くしたいと思ったから。




大「いきなりお弁当とか、彼氏出来た?」



「は!?できてないしっ!そんなんじゃないし!」



大「分かりやす。」




生意気に口をとんがらせる大樹を無視して、ご飯を作り始める。






(北人くん、喜んでくれるかな)






「あ、そうだ」






余ったご飯を集めて、使っていないお弁当箱に詰める。



これは壱馬のぶん。


前に、パンしか食べてないとか言ってたから。




余り物だけど、喜んでくれるといいな。







「はい、できたよ」



大「わ、うまそー」




大樹の分のご飯を作ると、そのまま着替え始める。





大「ちょ…弟の前で着替えるかふつー」





少し耳を赤くして恥ずかしそうに目をそらす大樹。




「へ?いやだって、弟じゃん」




大「……」





着替える姿くらい、弟に見られたってなんとも思わない。






私が上着を羽織ろうとすると、お箸を置いた大樹が私に近寄ってくる。




「ん?なに?」





大「…弟だから?」




そう言って私の腰に手を回す。




「へ?ちょ…」





グイッとそのまま引き寄せられて、胸が大樹に当たる。





大「脱ぎ方忘れた?」





「…なに、怒ってんの…?」






大「別に。」





再び、席に戻って箸を進める。






さっきの大樹はいつもより力強くて






私を見下ろす大樹はいつもの生意気な弟じゃなかった。

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ひろ - 凄い面白いです。続き楽しみです! (2019年4月14日 18時) (レス) id: f491a92039 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:莎嶌 美咲 | 作者ホームページ:http://misaki.saejii.jp  
作成日時:2019年4月13日 0時

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