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「ただいまー」
学校が終わり、家に帰るとテーブルには置き手紙。
"Aへ。
ママとパパ、結婚記念日の旅行へ行ってきます♡
ご飯は置いてあるお金で買って食べてね。
大樹とちゃんと分けること!!! まま。 "
「結婚記念日かぁ…」
6月の15日。 明日はママとパパの結婚記念日で、ハワイに。
確か今日出発して、明日の夜には着くとか行ってたっけ。
大樹「あ、姉ちゃんおかえり」
これは、弟の大樹。
一つ年下の弟で、同じ高校。
今は高校一年生になる。
「ご飯食べた?」
大「まだ食べてない」
「じゃあ、私が作るね。明日のお弁当の分も残しておきたいし」
明日のお弁当。
私は基本パンとかで済ませちゃうのに、実はちょっと前に…
北「え、Aが作ったお弁当食べたい」
「いいよ!迷惑じゃなければ北人くんのぶんも作ってこようか?」
北「まじで!?やったぁ!」
あの笑顔で喜ばれたら、嫌でもnoと言えなくなる。
それに、初めて喋ったけどとてもいい感じの人で、仲良くしたいと思ったから。
大「いきなりお弁当とか、彼氏出来た?」
「は!?できてないしっ!そんなんじゃないし!」
大「分かりやす。」
生意気に口をとんがらせる大樹を無視して、ご飯を作り始める。
(北人くん、喜んでくれるかな)
「あ、そうだ」
余ったご飯を集めて、使っていないお弁当箱に詰める。
これは壱馬のぶん。
前に、パンしか食べてないとか言ってたから。
余り物だけど、喜んでくれるといいな。
「はい、できたよ」
大「わ、うまそー」
大樹の分のご飯を作ると、そのまま着替え始める。
大「ちょ…弟の前で着替えるかふつー」
少し耳を赤くして恥ずかしそうに目をそらす大樹。
「へ?いやだって、弟じゃん」
大「……」
着替える姿くらい、弟に見られたってなんとも思わない。
私が上着を羽織ろうとすると、お箸を置いた大樹が私に近寄ってくる。
「ん?なに?」
大「…弟だから?」
そう言って私の腰に手を回す。
「へ?ちょ…」
グイッとそのまま引き寄せられて、胸が大樹に当たる。
大「脱ぎ方忘れた?」
「…なに、怒ってんの…?」
大「別に。」
再び、席に戻って箸を進める。
さっきの大樹はいつもより力強くて
私を見下ろす大樹はいつもの生意気な弟じゃなかった。
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ひろ - 凄い面白いです。続き楽しみです! (2019年4月14日 18時) (レス) id: f491a92039 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:莎嶌 美咲 | 作者ホームページ:http://misaki.saejii.jp
作成日時:2019年4月13日 0時