空に光る星 2

ウジウジ ページ40

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　羽生君がカナダに旅立って1か月が過ぎようとしていた頃―――

　私は栄養士になるため実家から短大に通っていた。

　自分の為、羽生君の為にスポーツ栄養士になりたいのだ。

　その事を羽生君はとても喜んでくれた。

　それが今の私を支えてくれていた。


　昨日の電話の羽生君、どこかヘンだった…

　明るくしゃべってるけど、ホントは違うんじゃないかな？

　私に心配させまいと、心を偽っているんじゃないかな？

　羽生君…何があったの？

　心配だよ…

　羽生君に逢いたいよ…



「ねぇ！聞いてる？ねぇってば！！A！！」

「えっ？あっ、あぁそうね…ここのカフェモカおいしいよね？」

「ハァ？私、そんなこと言ってないし…」

　エイ子が呆れた顔して私を見ている。

　久し振りのエイ子との買い物帰りに寄ったカフェ。

　私は昨日の羽生君との会話が気になり、上の空でエイ子の話を聞いていた。


「心ここにあらずって感じだね？」

　親友のエイ子には私の心は透けて見えるのだろうか…？



「逢いたかったら逢いに行けばいいじゃん！！」

　ウジウジ悩んでいた私に、エイ子はきっぱり言い放った。

　逢いたかったら…？

　逢いたいよ…

　逢いたい！！


　次の日から、私のバイト生活が始まった。

　一日5時間。

　夏休みに入ると、バイト先をもうひとつ増やし、一日10時間、バイトした。

　カナダへの旅費を貯めるために。




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