第二九訓 ページ29
その頃、である。
Aのある本丸からそう遠くはない、ただ、時代の異なるここ。
とある、神社。
風貌は自分らの本丸と大差ない。
ただ一つ違うのはーーー
「ああそろそろ来るんじゃないかとは思うとったよ」
「…久々じゃのぉ、岩融」
ーーー空気
その神社はなんだか、禍々しい空気を纏っており。
「どうやらナカマも随分増えたようだな」
「早速だが…俺らの主を傷つけた、その仇を返させていただこう」
「あんたらの主の名を教えてやった恩があるはずだが…礼儀のない奴よ」
「何を言う。あんたの嫁は…主の母は、喜んで教えてくれたというのに。恩などそこに見出せぬわ」
「…さぁて、俺はあまり話こむというのが嫌いでな。…話がしたいのならこの神社の最奥の部屋で待っておるとしようぞ。精々手折れぬ程度に頑張るといい」
くる、と岩融が十人に背を向けると同時に現れた、そいつらは。
「歴史修正主義者…!」
敵。審神者となったものの共通の敵。
それが、岩融を守るように。
「いわとおし!みそこないました!なぜ、こんなことを…!」
「おお、その声は今剣…いや、再会を喜んでいる暇はないな。その話も、またあとでといたそうか!」
ーーーキィィィンッ
岩融が姿を消したと同時に歴史修正主義者は動く。
「首落ちて死ね!!」
「オラオラオラ!!!!」
それに応戦した安定と清光は物騒な言葉をいつも通り並べながらその首を撥ねる。
斬れた部分から、バシャ、と鮮血が舞うが、得にそれを気にする様子もなく刀剣から血を振り払った。
「ちょっと、横取りしないでよ!」
「今日は誉とか関係ないんだからいいでしょ」
うぐぐ、と睨みを利かせながらも、流石は新選組一番組組長の沖田総司の刀、息を揃えて背を合わせる。
「久々じゃない?こんな風に二人で戦うの」
「…今度は先に折れないでよ」
「折れないよ。…あんたこそ、先に折れんなよ!」
「うっさいブス!僕のが強い!」
ーーーガキィィンッ
ーーーぐしゃっ
…どれだけ、斬っただろうか。
それでも奥から現れる歴史修正主義者の量は変わらない。
むしろ、増えているようで。
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黎奈(プロフ) - はじめてコメントさせていただきます!!すごく面白かったです。完結お疲れ様でした!第四訓で宗三左文字が宗山左文字になっていらっしゃるのでご報告させていただきます。あと、ちょこちょこ報告に来るかもしれません… (2015年10月18日 22時) (レス) id: 339ceb4b4b (このIDを非表示/違反報告)
華維璃(プロフ) - お疲れ様でした!とても面白かったです!小説の書き方、参考にさせて頂きます<(_ _)> (2015年9月22日 20時) (レス) id: 5dbf713d35 (このIDを非表示/違反報告)
連合(プロフ) - お疲れ様でした! (2015年7月19日 17時) (レス) id: bbc5de6b90 (このIDを非表示/違反報告)
らい兎(プロフ) - 第三四訓の「突き出ているのは日本の大きな角。」というところもしかして日本→二本でしょうか?面白かったです。 (2015年7月13日 23時) (レス) id: 5d4b050560 (このIDを非表示/違反報告)
零玲飛(れいれと)(プロフ) - お疲れさまでした、面白かったです!宗近のじいちゃんが入手できないのが痛いですね。 (2015年7月10日 19時) (レス) id: 0bd3908221 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:稜 | 作成日時:2015年4月10日 14時