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捌拾 ページ33

鬼舞辻side





麗に逃げられた。





今日の牢番は上弦ではなかったからか。

数字のない鬼は何故それほどまでに弱いのだ。









麗を追って地上へ出た時はもう遅かった。彼女はもう日向に居たのだ。



血だらけの日輪刀を握って日の下に立つ彼女を見ると、やはり麗ではなかったのかもしれないと思わされる。








「……麗」


私の声に反応した麗はぴくりと肩を震わせ、振り向かずに叫んだ。








『私は鬼殺隊の蒼天A!麗はもう居ないんだから……いい加減、諦めてよ。』


そう言って彼女は太陽の下を走っていった。









「行くな。そちら側へ行くな。」



私は日向のギリギリまで行って手を伸ばした。

指先がジュッと音を立てて崩れ、反射的に手を引っこめる。












その時、麗は再び振り返った。



そして…………


『さよなら、“月彦さん”。全てを終わらせるために、また貴方に会いに行くから。』



さらりと揺れる髪、少し潤んだ瞳に柔らかく微笑んだ口元。





あぁ、やはり麗だ。

しかし、麗ならば私を“月彦さん”とは呼ばない。身分の違いから敬称は絶対に“様”だった。







つまり、あの言葉は蒼天Aの言葉だということだ。

彼女は既に、前世の記憶を取り戻していたが、それを悟らせなかったのだ。

麗と私のこともすべて知った上で、麗は……いや、Aは鬼殺隊に戻ることを選んだのだ。









Aは行ってしまった。

鬼殺隊……産屋敷め。鬼殺隊などなければ、Aは今も私の手元にいたのだ。








あとは、太陽さえ克服していれば…









青い彼岸花を必ず見つけ出し……いや、鬼の中から太陽を克服するものを探し出す。


そして、必ずや太陽の元でAを連れ戻しに行く。









無限城編、完。

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渚月華 - 面白いです! (2020年5月2日 11時) (レス) id: bd22a3d64d (このIDを非表示/違反報告)
氷壊寺礼(プロフ) - 何…?!「既に投票済みです」だとぉ… (2020年4月11日 21時) (レス) id: ecbea78122 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりなんぽん - どうもです。ココさんの言う通り「舞」ではなく「雛」です。更新お忙しいと思います。誤字脱字は他の読者様が気になる方がいらっしゃると思いますので一応指摘してきます。すいません。 (2020年4月11日 19時) (レス) id: 3ac698d03c (このIDを非表示/違反報告)
ココ(プロフ) - とても面白いです!宇随さんのお嫁さんの名前は雛鶴さんだと思います! (2020年4月9日 19時) (レス) id: f80ae667a5 (このIDを非表示/違反報告)
ろんちゃん - 面白です!これからも更新頑張ってください! (2020年4月9日 18時) (レス) id: fc640f7e8a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なるは。 | 作成日時:2020年2月22日 22時

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