漆拾肆 ページ26
童磨「Aちゃん〜!元気にしてたかい?あれ、寝てるの?」
私を連れ去らった当人の童磨は近頃、鬼舞辻よりも頻繁に私の囚われている部屋へ来る。
否、私は寝ていない。目を瞑り、考え事をしていた私の頬をぺちぺちと叩いてくる。
イラついた私は童磨の手を勢いよく振り払った。
『やめてくれます?あんた、本当に鬱陶しいから。』
童磨「久しぶりに口を開いてくれた!嬉しいなぁ。ねぇねぇ、暇じゃないの?もう5ヶ月もここに居て何もすることないのに、よく飽きないね。」
『飽きるも何も、私は強制的にここに容れられているんだけど?』
私は童磨が大嫌いだ。基本的に鬼は可哀想な生き物だからと哀れんでいたけど、この鬼は別。
何故なら彼には同情できることが一つもない。聞いた話(童磨が勝手に語ってくる)、彼は万世極楽教なる宗教の神で、信者を何百人も喰っているという。
私の刀はこの牢のすぐ手前に置いてある。だが、ギリギリ手が届かない。鉄の牢を思いっきり蹴ったこともあったが、ビクともしなかった。
ここから出るには、鬼舞辻達を欺く必要がある。どうしようかと頭を捻っていると……
童磨「Aちゃん、今、どうやってここから出ようか考えてたね?」
なんで分かった?いや、違う。ハッタリだ。
『だとしたら何?』
童磨「お、図星だったかぁ。君のために言っておくけど、無駄だよ。ここの牢番をするのは上弦の鬼だと決まっているからね。それでも悪足掻きしたいというなら俺は止めないけど!」
『そっか……有力な情報をどうもありがとう。』
それから童磨は私の顔をじーっと見つめてきた。
『え、何。私の顔になんかついてる?じゃなきゃ、あんま見ないで欲しいんだけど……気持ち悪いから』
「いや、Aは綺麗な顔をしているなと思ってさ。可愛い女の子はたくさん食べてきたけど、どうやら君は特別みたい。こんな気持ちは初めてだよ。」
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渚月華 - 面白いです! (2020年5月2日 11時) (レス) id: bd22a3d64d (このIDを非表示/違反報告)
氷壊寺礼(プロフ) - 何…?!「既に投票済みです」だとぉ… (2020年4月11日 21時) (レス) id: ecbea78122 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりなんぽん - どうもです。ココさんの言う通り「舞」ではなく「雛」です。更新お忙しいと思います。誤字脱字は他の読者様が気になる方がいらっしゃると思いますので一応指摘してきます。すいません。 (2020年4月11日 19時) (レス) id: 3ac698d03c (このIDを非表示/違反報告)
ココ(プロフ) - とても面白いです!宇随さんのお嫁さんの名前は雛鶴さんだと思います! (2020年4月9日 19時) (レス) id: f80ae667a5 (このIDを非表示/違反報告)
ろんちゃん - 面白です!これからも更新頑張ってください! (2020年4月9日 18時) (レス) id: fc640f7e8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なるは。 | 作成日時:2020年2月22日 22時