柱の少女は、狙われ体質。

参拾壱 ページ32

「許さない……許さない！」



鬼はこちらへ突進してかる。






実弥と私は気を取り直して防御と攻撃を繰り返す。


実弥が鬼の右腕3本を切り落とし、私は左足を切り落とした。





「ぐぁぁああっ！」





しかし、一瞬で腕は再生し、実弥はその爪で腹を切り裂かれた。




『実弥っ！』




あ、まずい。こっちに攻撃の的が絞られた。

一旦距離をとる。



そして、再度技を繰り出し、走り出す。







『肆の型…………あれ……』





視界が揺らいだ。

鬼はその隙を見逃さず、攻撃をしてくる。





『ハァ……ハァ……』





爪の攻撃を刀で防ぐが、吹き飛ばされる。





『ハァ……ハァ……』




なんとか受身をとった。






肺が凍ったみたいに苦しい。

のどが焼けるように痛い。






……血鬼術が今更効いてきたのか。



実弥「A！どうしたァ！？大丈夫か！？」


『だ、大丈夫！まだやれる！』






私は根気で今立っている。





気を抜けば刀さえ落としてしまいそう。



それでも私はあの日の誓いを忘れてない。

私は兄と妹への償いとして、鬼を滅さなければいけないんだ。







ここで負ける訳には行かない。




私はその思いと気力で立っている。

参拾参→←参拾

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す