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はらり、はらり、と羽毛のように舞い落ちる粉雪が、徐々に山の背を白く染めていく。
降り続ける雪に、寂れた山間の村も私たちのあばら家も、等しく白の中へと沈む冬を感じる。
そんな景色を眺めながら、私はかじかむ指に息を吹きかけ温めようする。
空気に剥き出しになったこの手は、私にはどうにも寒く思えて仕方が無い。
貴君に教わった通りに、いくら息を吹きかけてもこすりあわせても、少しも温まらない気がする。
そんな私を見て貴君は笑い、そっと私の手を引いて家の中へと導く。
どうしてかな。
いくら自分で握っても暖まらない手が、貴君の手に包まれるだけで暖かくなる。
しんしんと冷え込む冬の夜、私たちの小さな家は、冷たい風も完全には防いでくれない。
だからこんな夜は、貴方と私、身を寄せ合いお互いの温もりを分け合って過ごす。
雪のもたらす静寂の中、慎ましく炊いた囲炉裏火を囲んで。
まるで世界に二人きりであるかのように静かで、雪の降り積もる音すら聞こえてきそう。
貴君の肩に頭を預け、貴君の温もりを感じながら、貴君と出会った日をふと思い出しました。
「出会った日も、雪だった。」
肩から顔をあげると、微笑む貴君と目が合った。
(そう、あの時も雪だった。)
貴君を忘れることが出来なくて、焦がれ焦がれて祈り続け、遂にもう一度貴君と会うことができたあの日。あの時も、雪だった。
あの日貴君は、行くところが無いと言う私を優しく受け入れてくれた。
その変わらぬ貴君の姿にどれだけ心躍ったことだろう。
貴君の思い浮かべる出会った日と、私の思い浮かべる出会った日は違うだろうけど。
けれども同じ事を考えていたと、そう思うと何故だかとても照れくさくて、囲炉裏火に火照った顔を大きな袖の陰に隠した。
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夢美 - 絵凄く上手でした。 (2019年8月1日 11時) (
レス) id: 32185305c0 (このIDを非表示/違反報告)
きなこもち - 鶴の恩返しですか？面白かったです！！！ (2018年11月27日 21時) (レス) id: afa6322ad5 (このIDを非表示/違反報告)
ｎｏｔリア充 - 絵が凄い上手ですね！お話しも凄く良かったです。黒彩良いですね最近は上彩ですがやっぱり黒彩も捨てがたいなあ (2018年11月24日 19時) (レス) id: fb8a1e68c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：琥珀 | 作成日時：2018年11月23日 18時
