【企画本編】絶望onステージ!!2nd Stage

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『ほらね、バッチリ不正してんじゃん。あれ、賄賂ってやつでしょ。あれが無かったら、南詩乃はここにいなかったのかもしれないねぇ〜？』

クロは楽しそうに笑う。


詩乃は混乱していた。

――嘘だ、こんなの。

これまでの人生で唯一、自分の力で手に入れた+Petalのメンバーとしての座。

そう思っていたのに、それすら両親の力を借りて成り立っていたなんて。


「ふ、ふふ」
乾いた笑いが込み上げてくる。


合格を知らせたとき、両親は喜んでいたが、さほど驚いてはいなかった。
あらかじめ、結果を知っていたように。

今ならその意味がわかる。

両親に騙されるのはこれで2度目。
どちらも優しさ故の嘘、でもそれが詩乃を酷く傷つけた。



『よし、さっそく首輪爆発ショーを始めようか！いくよー？』


詩乃の首輪がチカチカと激しく点滅しだした。
何度も耳にしたピピッという軽い音が、今はけたたましいサイレンのように聴こえる。


怖い、怖い、怖い…


どこで間違ったんだろう。


あの時アイドルのライブを見なければよかった？

アイドルなんて目指さなければよかった？

+Petalに出会わなければよかった？


もしここで最期を迎えることになったら、アイドルらしく笑顔で、なんて思っていたのは甘かった。

頭の中は後悔と絶望でいっぱい。


死を目前にした人間は弱くて情けないものだ。

大きな音とともに眼の前が光ったかと思うと、一瞬激しい痛みに襲われ、次の瞬間には意識を失っていた。


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