8 ページ33
◆
『もういいかな?』
クロは待ちくたびれた様子で言った。
『もう決着はついた。FinalGameもこれでおしまい。絶望onステージ!!の全てがもうすぐ終わる』
『残すは、人狼であり黒幕だったキミの処刑のみだよ』
「えっ、なんで、私の安全は保証するって言ったじゃん!」
『えー?そんなこと言ったかな?そもそもキミ、屋久谷葵……いや、茜が望んで始めたこのゲーム。そしてキミはゲームに負けた。人を呪わば穴二つって言葉、知ってる?』
首元にチクリとした微かな痛みを感じたその瞬間、茜は床に倒れた。手足の力が抜けた。それどころか身体全体の感覚が無くなって、体を動かせない。
それでも意識ははっきりとあった。
「葵……!」
反射的に駆けつけた未来だが、助けの手を差し伸べるのを躊躇っているようだった。
『このゲームはボクたちだけの秘密。証拠は残さないようにしなきゃね』
クロはそう言うと、カチッと何かのボタンを押した。
『今からこのライブハウスは消滅する』
ステージに火が現れたかと思うと、それはみるみるうちに広がっていった。
『これにておしまい。楽しいゲームをありがとう!さあ、逃げて!』
「でも……」
紅愛と未来は、こちらを気にするそぶりを見せたが、そのまま行ってしまった。
葵もこんな気持ちだったのだろうか。
煙を吸ってしまったようで、頭が酷く痛む。
意識もぼんやりとしてきた。
あれは――
気づくと、部屋の隅に一人の女の子が座っていた。
茜と瓜二つの少女は、悲しそうにこちらをただ見ていた。
◆
35人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みらーぼーる(プロフ) - 花乃子さん» そうでしたか…💦ありがとうございました🙏 (5月14日 16時) (レス) id: 86351c9672 (このIDを非表示/違反報告)
花乃子(プロフ) - みらーぼーるさん» 公開していたのですが、恥ずかしいので現在は参加者様のみの閲覧に限定させて頂いてます🙏🏻ごめんなさい💦 (5月14日 16時) (レス) id: b739fbefbf (このIDを非表示/違反報告)
みらーぼーる(プロフ) - コメント失礼します!「絶ステ本編・あとがき」を公開する日にちはいつですか?公開する予定はありますか?🤔 (5月14日 16時) (レス) id: 86351c9672 (このIDを非表示/違反報告)
花乃子(プロフ) - 救世主さん» ありがとうございます✨キャラクターは他の方に作って頂いた子達で、素敵なキャラクターばかりだったので本編執筆が捗りました! (5月14日 13時) (レス) id: b739fbefbf (このIDを非表示/違反報告)
救世主(プロフ) - 完結おめでとうございます🥳🎉キャラクターがそれぞれ個性的なのが魅力だと思います👍1人1人に裏の面があったり、設定がしっかりしていて飽きずにずっと楽しく読ませていただきました!とっても面白かったです💗🥰 (5月13日 1時) (レス) @page39 id: 0bbfc75c53 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:花乃子 | 作成日時:2023年3月31日 22時