許してください･･････【名前変換オリジナル】 (ページ6)

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第五話ページ6

「別れたの。俺が振ったんだけどね」

可愛らしいハルでも、一人称は『俺』だ。小さい頃は『僕』と言っていたから、中学生になって一人称が突然変わったときは、違和感に慣れなかった。

「別れた？なんで･･････？」

頭の中では、ハルの一人称とか、どうでも良いことを考えつつ、ハルの言葉に驚きを隠せずにいた。

ハルが振った、という女の子は神﨑アリサ。ハルと同じ中学校で、とても可愛い子だった。ハルとも仲良くしていて、会うたびにのろけを聞かされたのに･･････

「アリサが、浮気したんだよ･･････他の男と一緒に歩いてて――――――っ！？」

バタン！！という大きな音を立てて校舎に入ってきた女の子は、アリサちゃんだった。

「ハル君っ！誤解だよ、一緒に歩いてたのはお兄ちゃんだよ･･････」

「えっそうなの？俺が勘違いしてたんだ･･････良かったぁ。」

どうやら、ハルの勘違いだったらしい。二人は手を繋いで帰って行った･･････てか、お兄ちゃんて。

「マンガかよ･･････」

思わず口に出しながら、ハルたちが向かった方向とは逆の方に足を向ける。すると、どこからか声がしてきた。

「･･････ちゃん、梨華･･････？どこ･･････」

ホラー番組を見ても、平気な私も実際にこんなことが起こると、足が震え出す。しかも、相手は私の名前を呼んで･･････

「梨華ちゃ～ん」

「ﾋﾞﾎﾞﾊﾟｯ!?ﾊﾞﾊﾞｯ！」

女の子だとは思えない声を発しながら、声の主を探す。そいつは、私の後ろにいたのだけれど･･････肩を震わせて笑っていた。

「つ～か～さ～？」

「ごめん、そんな驚くとは思ってなくて、アハッ、うん、ごめんっ、フフッ」

笑いが止まらない、というようにお腹を押さえている司を呆れながら見つめる。そう、私は極度のビビりなのだ。今回だけじゃない。奇声を発したのは。