神様の悪戯〈fj〉 ページ19
「ね、フジ」
横を歩いていた彼女がふと足を止める。「ん？」と軽く返事をして彼女の方を見れば、彼女もまた此方を見ていた。
「もし私が死んだら、フジはどうする？」
自分の目が見開くのを感じる。なんで、こんな質問･･････？そう聞こうとして開いた口から声なんて出ず。
一時見つめ合っていた。
時間がゆっくり流れていく。道の真ん中で止まっていることにも気付かないで、2人で手を繋いだまま立ち尽くしていた。
近くで聞こえた猫の鳴き声でハッと我にかえる。なにその質問、と笑いながら口にすると、彼女も笑った。
「んーん、ちょっとね」
そう言った後、君は笑った。
「その時はさ、幸せになってね」
雪が降っては溶けて消える中、君も同じくらい儚かったのをよく覚えている。
その要望に、俺も笑って頷いた。
･
「･･････A」
名前を呼んでも、誰も反応してくれない。駆け寄ってくる彼女も、首を傾げる彼女も何処かに消えてしまった。
目の前にいるのは、冷たくなってしまった彼女。
「俺、さ」
あの時恥ずかしくて言えなかった言葉も、言えば良かったと今になって後悔する。
震える声。震える手。人の体温に触れれば戻って来てくれるんじゃないかって。
そう思って包んだ手は、あまりにも小さかった。あの時、君の存在が儚く感じたときと同じような感じ。
「ごめん･･････っ、ごめ、ん」
謝っても許されないだろうけど。綺麗な顔で眠る君が永遠に起きることはないなんて。
この世の全てを否定したかった。
「おはよう」と微笑んでよ。「冗談だよ」と悪戯に笑って見せてよ。「泣かないで」と手を伸ばしてよ。
なんで、なんでAなのさ。いっその事俺だったら良かったのに。こんなこと思ってしまう俺を叱ってほしい。
「A、ねぇA」
神様は、何時も悪戯に笑う。
自分のピンチの時にばかり神に頼る俺らを、嘲笑う。そして、不幸に落とすのだ。いつも気付くのは落ちている最中。
助けを縋ることもできず、手を合わせることも叶わず、真っ逆さま。
大切なものばかり奪って、自分のものにして、残されたものを笑って。性格の悪いものだ。
「なぁ、A」
それなら、神の思うままに、
「Aが居ない世界で、幸せになんて」
涙を流そうじゃないか。
〈神様の悪戯〉フジ
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フジさん、結婚しましたね！おめでとうございます！！てか、既婚者の方の夢小説って･･････どうなんだろう
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ふらわぁ(プロフ) - エティシアさん» ありがとうございます！読んでくださるだけですごく嬉しいです。元はといえば話を思い付かない私が悪いので･･････更新は遅いですが、楽しみにして頂けると嬉しいです！！エティシアさんのコメントで頑張れます！ (2020年3月16日 11時) (
レス) id: bd0b8806a1 (このIDを非表示/違反報告)
エティシア(プロフ) - 1話で終われるようなリクエストが思いつかなかったので書けませんでしたが、いつも小説楽しみにしています。何もお手伝い出来ませんがこれからも頑張ってください！ (2020年3月15日 1時) (レス) id: 910526fed8 (このIDを非表示/違反報告)
ねむりねこ(プロフ) - コメ返ありがとうございます！！楽しみにしています！ (2019年11月7日 20時) (レス) id: b1690d9a63 (このIDを非表示/違反報告)
Tiger Flower(プロフ) - ねむりねこさん» コメントありがとうございます！嬉しい、めっちゃ嬉しいです！！一応言っておきますが、ふらわぁとTigerFlowerは同一人物です笑これからも見ていただけたら嬉しいです！ (2019年11月7日 20時) (レス) id: e40e961212 (このIDを非表示/違反報告)
ねむりねこ(プロフ) - 初めてまして！どれもこれも素敵過ぎますっ！応援してます！更新頑張って下さいね！！！！ (2019年11月7日 20時) (レス) id: b1690d9a63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふらわぁ x他1人 | 作成日時：2019年9月20日 22時
