平等になんて〈hr〉 ページ12
※天界パロ※
天界の掟、というものがある。そこで最も大事なのが『天界に住むものは、平等にものを愛さなければならない』というもの。大天使ヒラエル、と呼ばれる俺はこの掟を破ってしまった。
「ヒラ、死刑執行」
振り上げられる斧を目の前に、俺は彼女との思い出を再生させていた。
Aと出会ったのは１年前の話。天界の最大の敵、悪魔と戦った際にできた傷を治してくれた彼女に、俺は恋をした。傷付いた羽根を見つめる優しい瞳。慰めの歌。包帯を巻く手つき。何もかもが美しかった。
それから何度もアプローチし、最初こそ困っていた彼女も最後には折れてくれた。
しかし、この世界。俺は大天使、ということもあったので3回目までは注意だけで許された。しかし、別れる気がないことに今更気付いたのだろう。神は激怒し、俺は死刑が決まった。
「なんで、なんでヒラだけ」
そう言って涙を流す彼女の背中をさすった。死刑されるのが俺だけなのは、必死に神を説得したから。そのことは内緒だけど。
振り上げられる斧も視界に入らず、俺の目にはAしか映っていなかった。俺の死刑が決まったときと同じように、涙を流す彼女。なんか泣かせてばっかりだなぁ、と反省する。
でも、そんなことを考える時間なんて俺にはなかった。
突然立ち上がったAは、俺の方に走って来る。斧を止めようとしている、ということに気付いたときは何もかもが遅すぎた。
「A、？」
目の前で、彼女の羽根がハラハラと舞う。血に染まった羽根も、白い羽根も、踊るように舞っていた。
「読んだ通りじゃな」
その声に顔を上げると、神と呼ばれる存在が、嘲笑うかのようにAを冷たい目で見下ろしていた。
俺の視線に気付いたのだろう。神は俺に目を向けると、口を開いた。
「そんな顔をするな、ヒラ。お前は大天使。あの女はただの天使。天使であろうと人であろうと、いや、なんであろうと釣り合う関係ではないのじゃよ。」
そう言って笑う神を睨みつける。俺の目には、外道しか映っていなかった。
「ふざ、けんな」
背中が、頭が熱くなるのを感じる。きっと他の奴らに、大天使と呼ばれた俺の姿は映っていないだろう。
「ヒ、ラ」
愛しい声が聞こえる。そちらに目を向けると、Aがこちらを見ていた。彼女の虚ろな瞳には、悪魔の角と真っ黒な羽根が生えた俺がいた。
〈平等になんて〉ヒラ
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ふらわぁ(プロフ) - エティシアさん» ありがとうございます！読んでくださるだけですごく嬉しいです。元はといえば話を思い付かない私が悪いので･･････更新は遅いですが、楽しみにして頂けると嬉しいです！！エティシアさんのコメントで頑張れます！ (2020年3月16日 11時) (
レス) id: bd0b8806a1 (このIDを非表示/違反報告)
エティシア(プロフ) - 1話で終われるようなリクエストが思いつかなかったので書けませんでしたが、いつも小説楽しみにしています。何もお手伝い出来ませんがこれからも頑張ってください！ (2020年3月15日 1時) (レス) id: 910526fed8 (このIDを非表示/違反報告)
ねむりねこ(プロフ) - コメ返ありがとうございます！！楽しみにしています！ (2019年11月7日 20時) (レス) id: b1690d9a63 (このIDを非表示/違反報告)
Tiger Flower(プロフ) - ねむりねこさん» コメントありがとうございます！嬉しい、めっちゃ嬉しいです！！一応言っておきますが、ふらわぁとTigerFlowerは同一人物です笑これからも見ていただけたら嬉しいです！ (2019年11月7日 20時) (レス) id: e40e961212 (このIDを非表示/違反報告)
ねむりねこ(プロフ) - 初めてまして！どれもこれも素敵過ぎますっ！応援してます！更新頑張って下さいね！！！！ (2019年11月7日 20時) (レス) id: b1690d9a63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふらわぁ x他1人 | 作成日時：2019年9月20日 22時
