甘いキス〈fj〉 ページ11
※学パロ※
「あついー、溶けるー」
横を歩くAが声を上げる。今、彼女は制服のボタンを一つ外して、スカートも校則ギリギリまで曲げている。
「暑いな・・・・・・」
彼女を見ていると別の意味であつくなりそうで、目を逸らす。逸らした先にはコンビニ。ナイスタイミングだと思い、足をそちらの方へ向けた。
俺の一歩後ろを歩くAも、何も言わずについて来る。恋人同士みたいだな、とか思ってニヤニヤする。
「なんか欲しいのある?買ってくるけど」
そう問い掛ければ彼女は「一緒に行く」と言う。
コンビニの中に同級生が居ないことを願いながら入る。もし居たら、明日から噂に成りかねない。俺はAと噂になるのは大歓迎だが。
隣を歩く彼女を見ながら馬鹿馬鹿しいことを考える。幸い、中に同級生はおらず、ガッカリする俺とホッとした俺がいた。
「生き返るー」
入った瞬間冷気に包まれる。さっきまで汗を流しながら歩いていたことなど忘れて、何を買おうなどと頭の中で考える。隣に居たはずのAも、今はアイスコーナーの前だ。
沢山のアイスを前にして悩んでいる彼女を見つめる。
「かわい・・・・・・」
その瞬間、顔をほんのり赤くしたAが髪を揺らしてこちらを見る。その赤い顔は暑いせい?それとも・・・・・・
って、
「何言ってんだ、俺」
考えていたことが口に出ていたことに今更気付き、恥ずかしくなる。外で待ってるから、と伝えて足早にコンビニを出る。何も買わずに出た俺を、店員さんが不服そうな顔で見てくる。スミマセン、と心の中で謝りながら通りすぎた。
「ばっか、俺・・・・・・」
ベンチに腰掛けて、空を見上げる。綺麗な青空だ。
空を見上げた姿勢のまま目を閉じる。すると、頬に冷たい感触を覚えた。ゆっくり目を開けると、笑顔のAが俺を見ていた。
「はい、アイス。」
俺の頬からアイスを離して次は渡してくる。2人で分けられるアイスにしたらしい。差し出されたアイスを素直に受け取ってお礼を言う。
3秒程しか触れていないはずなのに、アイスが溶け出す。慌てて開けて、口に含む。冷たくて、美味しかった。
「行こっか?」
アイスを食べ終わって、2人で肩を並べてボーッとして。しばらく時間が経ってからAに声を掛ける。いつもならすぐに立ち上がるはずの彼女は、今日はベンチに座ったまま俯いていた。
なかなか動かないAの顔を覗き込むと、口に柔らかい何かが当たった。
「あっま」
目の前には、ニヤニヤするAがいた。
〈甘いキス〉フジ
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ふらわぁ(プロフ) - エティシアさん» ありがとうございます!読んでくださるだけですごく嬉しいです。元はといえば話を思い付かない私が悪いので・・・・・・更新は遅いですが、楽しみにして頂けると嬉しいです!!エティシアさんのコメントで頑張れます! (2020年3月16日 11時) (レス) id: bd0b8806a1 (このIDを非表示/違反報告)
エティシア(プロフ) - 1話で終われるようなリクエストが思いつかなかったので書けませんでしたが、いつも小説楽しみにしています。何もお手伝い出来ませんがこれからも頑張ってください! (2020年3月15日 1時) (レス) id: 910526fed8 (このIDを非表示/違反報告)
ねむりねこ(プロフ) - コメ返ありがとうございます!!楽しみにしています! (2019年11月7日 20時) (レス) id: b1690d9a63 (このIDを非表示/違反報告)
Tiger Flower(プロフ) - ねむりねこさん» コメントありがとうございます!嬉しい、めっちゃ嬉しいです!!一応言っておきますが、ふらわぁとTigerFlowerは同一人物です笑これからも見ていただけたら嬉しいです! (2019年11月7日 20時) (レス) id: e40e961212 (このIDを非表示/違反報告)
ねむりねこ(プロフ) - 初めてまして!どれもこれも素敵過ぎますっ!応援してます!更新頑張って下さいね!!!! (2019年11月7日 20時) (レス) id: b1690d9a63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふらわぁ x他1人 | 作成日時:2019年9月20日 22時