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目の端に彼のスマホが落ちていて、
ぱかっと画面が光り、通知が表示される。
『目黒とごはん』
そのとなりに、ナイフとフォークの絵文字が並んでいた。
…なんだ、やること一緒じゃん。
ニヤけるのを堪えながら、
見なかった振りをして視線をそらす。
「…っ…」
また目の前の身体がふらっと揺れて、
それを支える。
また、花びらが…
でも、落ちたのは、花弁ではなかった。
阿部ちゃんは、さっとそれを隠すように手で覆って、
俺の視界から外す。
「それ、」
俺が彼の手を追いかけると、
阿部ちゃんは俺の目をまっすぐに見て、
人差し指を自分の口に押し当てた。
落ちたのは、花そのものだった。
まだ花弁がついたままの花。
彼の中に咲く花を見たのは、
その時が初めてで、
それは、息を呑むほど美しく、
色鮮やかだった。
ab「大丈夫」
彼は笑う。花みたいに。
「…次、予定が空いたら、
すぐ連絡するから」
ab「うん、待ってる」
それが消えてなくならないように、
俺は黙って、
少しだけ不安げな彼の顔を見ないようにして、
そっとその場を離れた。
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haryu(プロフ) - 翔亜さん» ご指摘ありがとうございます！ (2020年10月7日 0時) (
レス) id: 4773123c33 (このIDを非表示/違反報告)
翔亜(プロフ) - 大学は医学部だと６年なのでは…？ (2020年10月6日 23時) (レス) id: 068f257b0f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：haryu
| 作成日時：2020年10月4日 17時
