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つい三か月前、お母さんが「なまけてばかり」と言ってきたから、お母さんの働きと私の働きを数値化して見せてやったのだ。最初は「文字なんか見せるな、気色悪い！」って言っていたけど、私が言うにつれ自分に利がないと分かったらしい。――そして、大の大人のくせにお母さんは「泣いた」のだ！ だから、だから嫌い。
お母さんは学がないから、理屈で戦うのをさっさと諦めてすぐに感情に動くのだ。そして、そんな人間はその後どうするのか？
……簡単。自分の庇護者に助けを求めるのだ。お父さんがその日はちょうど早く帰ってきて、私は泣いている母の前でそいつと鉢合わせてしまった。
――ちなみに、助けを求められた学がない人間はどうすると思う？
これも簡単。あいつは、お母さんと私を見るなり顔を怒らせて私の頬を強く張った。こいつも理屈が通じない。だから、理屈を使う人間が怖くて暴力を振るうのだ。
「お前は！ 試験かなんかの成績がよかったか知らんが、ここではそんなの関係ないんじゃ！ 母を慕って親孝行するのは当然、そんな母を泣かすとは！ どんな了見じゃ、教育場に行ってから本当に小生意気になりよって！」
衝撃で床に倒れ伏してしまった私を、父は見下した。図体と年齢だけで上に立つことができるとは、なんとまあ愚者には快適な世の中で、と思う。そんな私を、父は「睨むとは！」とまた怒鳴りつけた。私は睨んでなんかいない。ただ、軽蔑していただけだ。そんな私を背に、母がそっと去っていくのを感じた。
自分が起こした騒動の顛末を見届ける勇気もないのか、卑怯者が。
なんてことがあったのだが、父が長期の漁に出かけている限り、味方してくれる人は現れない。それに、子どもに論破されるのも悔しいことらしい。
お互いの頭のことを考えたら、恥じることなんてないのに、ね。
続く
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紫清(プロフ) - ミランさん» コメントありがとうございます。確かに主人公は親にそういう感情を抱いていると思います。 (2021年3月9日 20時) (
レス) id: 840643cfcd (このIDを非表示/違反報告)
ミラン - な，何かあったの？親に恨みあるの？ (2021年3月9日 20時) (レス) id: a8f34c5bc4 (このIDを非表示/違反報告)
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