53. 大丈夫、泣かないで ページ8
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群衆が盛り上がる中、男子生徒がバットを高く持ち上げる。
恐怖で震える体を抑えながら、覚悟を決めた私は、目をつむった――
「あぁぁぁぁ"ー！」
『……っ、』
“ ガシッ "
『……………え、？』
訪れるはずの痛みが一向にやってこず、そっと目を開けると、そこには…
バットを両手で抑える、天馬くんがいた。
１人…、２人……、
天馬くんによって、向かってきた男子生徒が倒れていく。
そして残った最後の１人が倒れると、天馬くんは私に駆け寄り、安心させるようにそっと…
私を抱きしめた。
「もう、大丈夫……A」
『天馬くん…、』
「神楽木、これが英徳の……お前のやり方か？」
「馳…、」
「……最低だな」
違う…、きっと神楽木がやったんじゃない。
そう思うのに。天馬くんの腕の中では、神楽木を信じきることが…できなかった。
「…ちょうどよかった。寄付金も払えない貧乏人はここにはいらないの」
「愛莉っ！」
「その女連れて、さっさと出てって！！！」
「…ダメだっ！」
「は？ 何でよ」
「今、学園長から報告を受けました。花沢A 名義で、5000万円を寄付されたそうですね」
走ってきた平 海斗の発言に、天馬くんが相槌を打つ。
嘘…、天馬くんが……？
『天馬くん、なんで……、なんで？』
「昨日、Aは言ったよね。これからは天馬くんの自由に生きて、って。幸せになってほしい、って」
『……、』
「なら、今日から好きに生きる。もう我慢しない。僕はAと一緒に、幸せになりたい」
力強く私を見つめる瞳が、涙でぼやけていく。
これで最後、そう思ってたのに……天馬くんが今、私の目の前にいる。
私を…、助けに来てくれた。
「A、泣かないで…？ もう大丈夫だから」
涙で濡れるまぶたを親指でそっと拭うと、天馬くんは私を抱き上げた。
「寄付金さえあれば、退学にはならないな？」
「……、」
「今度、Aを傷つけたら……お前を潰す」
花沢 Aの婚約者として。
神楽木にそう言い残すと、天馬くんは私を連れて英徳を去った。
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I(プロフ) - 美紀さん» 美紀さん、ありがとうございます！！！…そんなそんなっ、読んでくださるだけでも有難いのにタメ語でお話するなんて恐れ多いです〜…((+_+)) (2018年5月31日 1時) (
レス) id: 408ad8cdff (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - 移行おめでと(^^♪作者さんタメでいいよ (2018年5月30日 19時) (レス) id: 39e38305d9 (このIDを非表示/違反報告)
I(プロフ) - 由良さん» 由良さん、お読みいただきありがとうございます！！たったいま更新したので、ぜひお楽しみください(*^-^*) (2018年5月29日 21時) (レス) id: 408ad8cdff (このIDを非表示/違反報告)
由良 - 更新楽しみにしてまーす！ (2018年5月29日 16時) (レス) id: 3c3c648279 (このIDを非表示/違反報告)
I(プロフ) - 蓮さん» いえいえっ、蓮さんの後押しがなければ書くことができなかった作品なので、蓮さんに読んでもらえて本当にうれしいですっ！！ たったいま更新したので、ニヤニヤしながら(できるかしら笑)お読みくださいっ☆ (2018年5月26日 17時) (レス) id: 020c5bbf85 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：I
| 作成日時：2018年5月22日 18時
