十四 ページ15
課題をひいひい言いながら終わらせて、木梨先生に持って行った。
美しいのか恐ろしいのかわからないあの無言の微笑み浮かべた木梨先生から、私はそろそろと離れた。
「A、調子はどうなんや?」
くそう、黙って帰れるはずがないか。
調子はどうもこうもない。正直に言えば良くないのだから。
しかし、調子が悪い理由もわからず、懸命に周りについて行くしかない。私はこんなんじゃあいけないのだ、私は周りから目標にされるような人間にならなければならない。
「調子、悪いんやろ」
一人で考え込み、返事を忘れていた私を見越して、木梨先生は言った。
私を見つめるその目は、心配しているようにも見えたが、どちらかと言えば蔑んでいるように見えた。
「まあ、暇を作って練習も見に行くわ。大会も近いしな」
「……ありがとうございます」
その視線の意味を尋ねることもできないまま、木梨先生と私は別れた。
やっぱり、木梨先生も結果の出ない私になんて興味ないのだろうか。
それもそうかもしれない。私は走るためにここへ来たんだ。
はなつーです。「いざ、尋常に」をお読みいただきありがとうございます。
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にゃあ - はなつーさん» おー!おめでとうございます! (2020年3月21日 0時) (レス) id: 6c1a3f5f49 (このIDを非表示/違反報告)
はなつー - にゃあさん» ありがとうございます泣 無事合格してました!! (2020年3月19日 20時) (レス) id: 9942ee8606 (このIDを非表示/違反報告)
にゃあ - 作者様が第一志望に合格しますように。 (2020年3月16日 15時) (レス) id: 6c1a3f5f49 (このIDを非表示/違反報告)
にゃあ - 待ってますね。がんばってください! (2019年12月12日 16時) (レス) id: 6c1a3f5f49 (このIDを非表示/違反報告)
にゃあ - 受験生さんだったんですね!かしこまりました。再開されるまで楽しみにしています!がんばってください! (2019年12月11日 1時) (レス) id: 6c1a3f5f49 (このIDを非表示/違反報告)
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