Cafe Western (ページ4)

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「とりあえず案内するから」

と中間さんに言われ、開店前に店内を付いて回ることになった。ちなみに藤井さんはモップがけの続き。さっきから同じとこ拭いてる気がするけど。

Cafe Westernは名前の通りカフェであると共に、ちょっとした雑貨も売っている。
へ～、可愛いなぁと思いながら見ていると、中間さんが

「店長の趣味やねん」

と半笑いで答えられた。

「雑貨とカフェ、どっちも入ってもらうから。ラッピングもするし接客もよろしくな」

『え！？が、頑張ります！』

意気込む私に中間さんは

「ほどほどにな」

と笑いながら言ってくれた。

「んで、ここがスタッフルーム。ロッカーに名前はないんやけど、大体誰が使うって決まってるから。…あ～ここ汚いけどごめんな」

そう言って指を指したのが私が使う予定のロッカーの横。

『別に気にならないですよ？』

見た目は汚くないみたいだけど、中間さんが勝手に開けると、ぐちゃっと漫画が置いてあるのが見える。「あいつめ。またこんなに持ってきて」と呟いてバシッとロッカーを閉める。

「まあ、悪い奴じゃないから」

『あの、他にもスタッフさんはいらっしゃるんですか？』

「おるよ。今の時間は流星と厨房に1人。昼頃からあと何人か来るから」

「淳太、店開けるで？」

「おお、ちょうどよかった。流星、今日吉川さんと接客あたってくれへん？」

「ん。おっけー」

『よろしくお願いします！』

頭をさげると「ふっ」と声が聞こえた。
ちらっと見あげると、その声の正体は藤井さん。

「そんなたくさんよろしくせんでええよ」

そういえばさっき挨拶した時に言った…でも！教えを請う立場だから何回言っても足りない気がする。

『接客は初めてですけど、頑張ります』

「ほどほどでええからね」

中間さんと同じ言葉を言ってくれた。

なんて優しい人たちなんだ。