Cafe Western (ページ1)

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昔から真面目だといわれてきた。

親や先生に言われたことは絶対で、型からはずれることなく従ってきた。私にとってはそれが正解だと思ってたから。

そんな私は、就職難な中、そこまで大きくないがそれなりの会社に就職した。

バリバリに働くぞと意気込んで入った会社はなんとブラック会社。

サービス残業当たり前。終電後も働いてなんなら会社に泊まる勢い。休み？なにそれ？みたいな認識で、今考えたらたまったまんじゃないが、偉い人がやれと言うならやる性格な私は見事、会社の駒になってしまったのだ。

顔はやつれ、疲れもとれずふらふらなくせに働かねばと無駄に前向き。毒されていた。

そんなある日、電車に乗り遅れた。履いているヒールが折れ、あたふたしていふうちにいつも同じ時間に乗っている電車に乗り遅れた。

ただそれだけ。

それだけなのに、ふと我にかえる。

『何やってんだ私は』

それからは早かった。退職を願い出て、上司との面談を重ね、見事ブラック会社を退職。

無職になったのである。

のちに私はこう言う。

『完全に会社に染まる前でよかった』