学食にて ページ5
今日はさっちんと学食デー。
人が賑わっていて座る場所が見当たらなかったけど、やっと座れる席を見つけたと思ったらその横には…
『せ、せせせ……!』
「中間先輩と桐山先輩じゃないですか。隣いいです?」
さっちん!喜びと動揺の狭間にいた私のことは御構い無しに隣を確保だなんて!!
『グッジョブ』
「その顔なんか嫌だから早く座ってくれない?」
友の辛辣な一言もある中、私は迷いに迷っていた。
それは……
淳太先輩の隣に座るか斜め前に座るか。
この狭い学食の中、隣に座ったら肩が触れるかとしれない。トン、と当たって2人で『「あ…」』って言い合うときめきシチュエーション。
だがこれは、嬉し恥ずかしと共に恐れ多い気持ちもある。そしてなにより顔がちゃんと見れない。
斜め前に座った場合、ちゃんと綺麗な顔が見れる。そして斜めということもあり、緊張が軽減される。
しかし、こちらかは見えるということは、先輩からも見えるということ。先輩に自分の食事風景を見られる。
歯に何かついてないかとか、食べ方が汚くないかとかめっちゃ気になる。
どうすればいい!?究極の2択!!
「別にここ座らんでもええわ。他行け」
『先輩。ツンデレですか?ツンのあとにはデレがこないといけないんですよ?さあ、デレは??』
「永遠にこんから安心しろ」
『焦らさなくてもいいですって』
「飯の時くらい静かにしてくれ」
『うーん、やっぱり隣かなぁ。でもなぁ』
「桐山先輩お互い苦労しますね」
「いや、俺は一つも苦労してへん。むしろここまでくるとおもろい」
192人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:はなこ | 作成日時:2019年5月14日 20時