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廊下で出会う ページ3

『あ!』

「……」

「ちょっとちょっと!淳太くん次の教室こっち!いきなり方向転換すんのやめて!」

用事を思い出したのか先輩はくるりと振り返っ「お前がおったからや」


『つれない』

「君も大概やけどね」

淳太先輩の同級生の桐山先輩は私のことをいつも哀れんだ目で見てくる。
失敬だな。


『ところで移動教室ですか?』

「そうそう。化学の授業でな〜」

『淳太先輩が化学!似合う!』

「実験で白衣着るんやで」

『白衣!?鼻血でますね!』

「話してるの俺やからちゃんと視界に入れてくれへん?」

なんやかんや言ってくる桐山先輩は無視。

本当は早く去りたくてたまらないのに渋々立ち止まってくれてる淳太先輩素敵。優しいよね、やっぱり。

私の視線に気付いたのかチラッとこっちを見てくれた。

『……流し目最高』

「そんなことしか言えへんのか」

『かっこいいです』

「だから、」

『授業頑張ってくださいね!』


激励を込めてそう言うと、先輩は呆気にとられた顔をした。


「……授業、遅れるなよ」

『は、はい!』


颯爽と去っていく背中ができる男!って感じがする。

っていうか


『遅れるなよ……だって』



先輩からありがたいお言葉貰えたぁぁ!!




「なあ、淳太くん」

「なに?」

「なんか後ろであの子拝んどんのやけど」

「知らん」

授業中のできごと→←私の先輩



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作者名:はなこ | 作成日時:2019年5月14日 20時

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