浴室からのアナウンス ページ21
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「ただいま」
『おかえりー!』
大阪から特に寄り道もしないで真っ直ぐ帰ってきた。
Aが玄関まで走ってきて飛びついた。扉に後頭部をぶつけたけど、帰ってきてやっと会えた喜びのほうが凄くて気にならなかった。
『寂しかったぞ〜!お土産は!』
「お土産かよ。あっちで渡すから早く行こ」
『うん!』
キャリーケースを床に付けないように持って行って、荷解きをした。お土産を出して渡すと目をキラキラさせて喜んでくれて、こっちまで嬉しくなる。
『美味しそ〜!お腹空いた!』
「もうご飯前だしやめとけ」
『うう…あ、洗濯しようね服。あ、ご飯より先にお風呂入る?』
「んー、そうする」
その後はほとんどAがやってくれて、自分はソファーに寝転んだ。疲れがどっと押し寄せて、目が閉じそう。
『眠い?』
「んー」
『私も寝ちゃおうかな〜』
隣にグイグイ寝転んできて、腕枕をしてあげた。痺れる前に目を覚まさないと。
チラッとAの方を見たら目が合った。すごい見てくる。
「めちゃくちゃ見るじゃん」
『えへへ、久しぶりだなと思うと見ずにはいられなくて』
「なんだそれ」
『久しぶり〜』
「はい久しぶり」
何のやり取りだよ、とツッコミたくなったけどそれも全部かわいい。
キラキラした目がこっちを見てくる。だんだん近付いてきて、多分キスしようとしてきたから顔を背けた。
『えー…なにそれ…』
「ん?なに?」
『なんで避けたの』
「なんのこと」
『リベンジ!』
「うっ…」
隣に寝転んでたのに、上に乗っかってきた。体重がかかって、また顔が近付いてくる。そして避ける。
『もう…なんで…』
「そんなにしたい?」
『したい…』
「もうすぐ風呂溜まるから一瞬ね」
『うん!』
嬉しそうにまた近付いてきたから、ちょっと遊んでやろうという悪戯心が溢れた。一瞬だけだと思っているAの期待を裏切ろうと、深いのをしてみたら目を見開いて驚いていた。
すごく長い時間に感じて、唇が離れた頃にはAの目が潤んでいて、何かがグッとした。
ずるい、と一言。胸板に頭をぐりぐり押し付けてきて顔を見せないようにしてるのがまた可愛い。
「続きする?」
『…する』
お風呂が沸いたアナウンスが浴室から聞こえてきたのを無視して、寝室へ行った。
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p@n@(プロフ) - のぞみさん» コメントありがとうございます。このお話に関しては、続きは作っておりません…今書いてるものが完結したら、似たようなお話にはなってしまうかもしれませんが、梅原さんとのお話を書く予定です!コメントして頂いたのに申し訳ございません。 (2021年5月29日 10時) (レス) id: 82332159e0 (このIDを非表示/違反報告)
のぞみ - 面白いです。続きはないんですか? (2021年5月29日 8時) (レス) id: 90a3a483bc (このIDを非表示/違反報告)
chimo(プロフ) - 永遠に幸あれ完結お疲れ様でした!とてもほっこりして素敵な作品でした!次回作西山さんということで楽しみにしておりました!引き続き愛読させて頂きます! (2021年1月31日 16時) (レス) id: f2165dc798 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり(プロフ) - めちゃくちゃドッキドキやな…って感じです。ありがとうございます…… (2021年1月25日 23時) (レス) id: e5cbfbc5c1 (このIDを非表示/違反報告)
p@n@(プロフ) - さきさん» コメント、リクエストありがとうございました!!書いていてとてもドキドキしました……これからもよろしくお願い致します! (2021年1月25日 23時) (レス) id: 82332159e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:p@n@ | 作成日時:2021年1月9日 0時