永遠に幸あれ【梅原裕一郎】

あなたからの可愛い ページ20

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「あ、俺来週いないから」
『え？』

夜ご飯を食べていた時にいきなり言われた。なんの事か分からなくて頭にハテナが浮かぶ。

『なんで？』
「イベントで大阪行く」
『そうなんだ。気を付けてね』
「それだけ？」

そう聞かれると、それだけではない気がする。本当は寂しい。二人だとちょうどいい広さだけど、一人ならとても広く感じるこの部屋。いや、それだけじゃないけど。

『うーん…寂しい』
「お土産いっぱい買ってくるわ」
『たこ焼き食べたい！』
「冷めるから持って帰れないよそれは」
『あ、そっか』

お土産があることを考えたら寂しさも紛れた。

出発する日はあっという間に来て、朝早くに出るからと言っていたから一緒に起きた。っていうか起こした。

『気を付けてね』
「うん。戸締りよろしく」
『はーい』
「行ってきます」
『行ってらっしゃい』

ロビーまで降りて見送り、部屋に戻った。
あー、やっぱり寂しいな。しかもこのいない2日間はオフという。仕事してるほうがいい。
ベッドに寝転んで、また目を閉じた。

次に目が覚めた時はなんだか気持ち悪いなという感覚で起きた。なんだかよく分かんなくてとりあえず吐いて口をゆすいで、またベッドに寝転んだ。

スマホを見たら裕一郎から何件かメッセージが来ていた。

"大阪着いた"

"かわりにたこ焼き食べとく"

"今から会場入り"

"寝てる？"

逐一報告してくれたり、写真を送ってくれたりなんて優しいんだ。寂しさ半減。

私も『今起きたよ！』と寝癖爆発の自撮りを送ってみた。嘘でもいいから可愛いと言ってくれ！と願っていたら

"なんか顔色わる"

とだけ来た。可愛いでもなければブスでも無かった！
顔色の悪さは原因不明。とりあえず胃に何か入れとこうと思って冷蔵庫に入っていたゼリーを食べたらスッキリした。

数時間後、裕一郎から電話が来た。

「もしもし、今終わった」
『お疲れ様〜楽しかった？』
「うん。まあ楽しかった。体調は？」
『体調？別に平気だけど』
「そう。ならいい。明日帰るから」
『うん。気を付けてね〜』
「写真」
『ん？写真？』
「可愛かった。おやすみ」
『えっ、ちょっ、待って！？』

無慈悲にブチッと切られた。いまの可愛かった、もう一回聞きたい…！早く帰ってきて…！

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