永遠に幸あれ【梅原裕一郎】

どんなところが好きか ページ16

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久しぶりに実家の家族と会った。親戚の集まりがあってAも一緒に行く予定だったのが急遽仕事が入ったため行けず、結局一人。
ごちゃごちゃ周りの大人達が酒を飲んでどんちゃん騒ぎしてるのを遠くに見ながら子ども達とゲーム。

「うめくんはさー、彼女いるの？」
「彼女いるよ、てか奥さん」
「え！うめくん結婚してるの！？」
「言ってなかった？」
「どんな人？私知ってるかな？」
「同じ声優やってるんだけど、江崎A」
「え！ほんとに！？私大好きだよ！」
「へえ〜伝えとく」
「いいなぁうめくん。どんな夫婦生活なの？」
「ませたこと聞いてくるじゃん。まあ普通だけど」

適当にはぐらかしておけば飽きるだろう、そしてゲームに集中するだろうと思ってたけど、そう上手くはいかなかった。

「どんな所がすき？」
「んー、全部」

女の子はそういうのが好きなんだな。
テンション爆上げでAのことをガンガンに聞いてくる。
ゲームを再開しようとしたらAから電話が来た。端末を置いてこっそり部屋から出て通話ボタンを押した。

「もしもし」
『あ、お疲れ！今日一緒に行けなくてごめんね』
「みんな飲んで騒いでるだけだし大丈夫だよ。多分今俺がいないのも気付いてないし」
『そっかー、今行こうと思ってもう駅に来ちゃったんだけど』
「え、本当に？迎え行く。待ってて」
『ありがとう。待ってるね』

電話を切ってすぐ家を飛び出した。子ども達にどこ行くの？と聞かれて「嫁の所」と言うと悲鳴があがった。駅に着いてキョロキョロしてたら後ろから衝撃があった。

「びっくりした、お疲れ様」
『お疲れ様、迎えありがとう〜』
「嬉しい、来てくれて。ずっとゲームしてたけど」
『私もまぜて』
「みんな喜ぶよ」

実家までゆっくり歩いていたはずなのにあっという間に着いた。
両親にAが来たことを伝えたら泣いて喜んで、早速ビールを飲んでいた。
子ども達から呼び出されてそっちに一緒に行くと凄い歓声があがって、さっきまで俺に引っ付いてた女の子はAの方に行ってしまった。

「うめくんのどこがすき！？」
『んー、全部』
「うめくんと同じこといってる！仲良しだ！」
『えへへ、だってずっと一緒だもん』
「ラブラブじゃん〜いいなぁ、わたしもそんな人と結婚したい」
『可愛いからきっとできるよ〜』

女の子同士の会話が盛り上がってるのを眺めるのは意外と楽しかった。きっとAだからだろうけど。

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