離れて気付くお互いのこと ページ2
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『おはようございます〜』
「あ、Aおはよう〜」
『おはよう西山』
「いや呼び方」
朝の現場は眠くてきっと頭が回らないから、ということにしておこう。
先に来ていた西山に挨拶を済ませて自分も椅子に座った。
「あれ?梅ちゃんは?一緒じゃないの?」
『寝てたから先に来ちゃった』
「ええ!起こしてあげなよ!」
『大丈夫大丈夫』
「おはようございまーす」
『ほら』
「ほんとだ…梅ちゃんおはよう…」
「おはよう西山」
「いやAと全く同じ」
まだ若干の眠さのままやって来た裕一郎の後頭部は爆発している。手ぐしで直してあげると元に戻った。
「ありがとう」
『いいえ』
「なんで起こしてくんなかったの」
『起きなかったんだもん。私まで遅れちゃうから』
「もっと根気よく起こせよ。分かるじゃん、起きられないの」
『そんなの私に言わないでよ、大人じゃん』
「そういうお前は子どもだな」
『なんだと…この…もう…』
語彙力が無くて怒れなかった。
この軽い痴話喧嘩に巻き込まれたく無かったのか、西山は白井さんの隣に行ってしまった。そして二人でニヤニヤしながらこちらを見ている。
「なにあいつら」
『小学生じゃんやること』
痴話喧嘩も終わり、アフレコが始まった。
順調に進んで予定通り終わったあとは事務所へ。
台本を貰って家に帰ると朝出て来た時とそのままだった。
『カーテン閉まってる!開けたよね私!』
「眩しいから閉めた」
『えぇ…』
どんだけ朝が苦手なんだ…
とりあえず一通り片付けをした。
私の家に裕一郎が暮らしてたときとは違って、ここは裕一郎の家だからそういうところに気を遣う。
養成所時代に一緒に暮らしてた時は何とも思わないただの同い年の同期だと思っていたけど、お互いデビューして自分1人で暮らせるようになり、裕一郎が出て行ったときに本当は好きなんだなと思った。
一緒に居た時は分からなかった。一人になってやっと気付いた。
好きって思った頃にはもう裕一郎は新しい生活をスタートさせてたから伝えることにとても悩んだけど、我慢出来なかった。
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p@n@(プロフ) - のぞみさん» コメントありがとうございます。このお話に関しては、続きは作っておりません…今書いてるものが完結したら、似たようなお話にはなってしまうかもしれませんが、梅原さんとのお話を書く予定です!コメントして頂いたのに申し訳ございません。 (2021年5月29日 10時) (レス) id: 82332159e0 (このIDを非表示/違反報告)
のぞみ - 面白いです。続きはないんですか? (2021年5月29日 8時) (レス) id: 90a3a483bc (このIDを非表示/違反報告)
chimo(プロフ) - 永遠に幸あれ完結お疲れ様でした!とてもほっこりして素敵な作品でした!次回作西山さんということで楽しみにしておりました!引き続き愛読させて頂きます! (2021年1月31日 16時) (レス) id: f2165dc798 (このIDを非表示/違反報告)
ゆり(プロフ) - めちゃくちゃドッキドキやな…って感じです。ありがとうございます…… (2021年1月25日 23時) (レス) id: e5cbfbc5c1 (このIDを非表示/違反報告)
p@n@(プロフ) - さきさん» コメント、リクエストありがとうございました!!書いていてとてもドキドキしました……これからもよろしくお願い致します! (2021年1月25日 23時) (レス) id: 82332159e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:p@n@ | 作成日時:2021年1月9日 0時