頑張り屋さんに恋をした (ページ24)

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Aさんに会わないまま日々は過ぎて行くなか

僕は会社で信頼してもらえるようになっていた

でも

「蓮せんせー」

毎回のレッスン後に話しかけてくる女の子

僕にも予定ってものがあるっちゃけど、、

最初の方はリアクションしてたけど

ずっと同じ話だし、興味がない

レッスンの質問したい人たちの話をちっとも聞いてあげられない

正直、、、嫌だ

『ごめん、僕次の仕事があるから。またね』

「えー。まだいいじゃないですかぁ」

ベタベタと触り、腕を組もうとしてくる

あのさ、"仕事"って言ってるよね

『そうやって媚び売られても、実力で見てるから。
今こうしてる時間も練習した方がいいんじゃない？』

そう言うと、あからさまに態度を変えられた

『じゃあ』

"うざ"

背中に刺さる冷たい言葉

でも自分が言ったことが間違っていたとは思わない

あの子が気づく良いチャンスになればいい

あれから数日経って、レッスン後に話しかけてくることは無くなった

練習熱心な人の沢山質問を聞いてあげられるし

悩み相談を受けることもあった

もしAさんが残っていたら

こんな風に話してたのかな、、なんて

どんな風に踊ったり、話したりしてくれるんだろう

そう思うようになっていた

でもある日

いつものようにレッスンが終わって

偶然に練習後に話をすることがなかった

このまま今日は帰ろう

そう思っていたら

「蓮せんせ、、少しお時間いいですか？」

あの子だ

女の子たちの中でもリーダー格の子

『どうかした？』

「相談したいことがあって、ここだと話せないので別の部屋でもいいですか？」

この前の態度とまた違うけど

ホイホイとついていったら何か悪いことが起こりそう

『事務所の接待室が空いてればいいよ』

「そこでいいです」

断られるかと思ったけど、すんなり承諾された

やっぱり怪しい

『そこ座って』

接待室で向かい合って座った

『それで、話って？』

そう聞くと、その子は急に涙目になって

「私、、蓮先生のことが好きなんです」

、、、は？

『いや、なに急に、、』

「練習の時とか、先生に触れられると嬉しくて、、」

冷静に見ていれば分かる

この人が嘘を吐いていることに

一途な女の子を見守ってきた僕には分かる

「初めてなんです！ここまで誰かを好きになるのは」

やめろ

簡単に使うんじゃない

その言葉を