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天然たらしと谷地さん その3 ページ26




 飛雄くんと再開し、初めての高校での部活動を終えた翌日。僕は朝目を覚ました時から、ずっと飛雄くんのことばかり考えていた。


(体育館出禁とか聞いたこともないよ……)


 しばらくぶりに親友と再開し言葉を交わしたことの喜びよりも、飛雄くんのこれからを心配する気持ちの方が強かった。バレーに関しては人一倍一生懸命な飛雄くんの事だしきっと大丈夫だとは思いたいが、なんにせよ彼は口の悪さが災いをすることが多い。さらには教頭のカツラを飛ばしたというのだ。チームを束ねるキャプテンの澤村さんの怒りは計り知れない。飛雄くんたちが体育館に入ることを許される日は来るのだろうか。
 布団の中でゴロゴロと考えていると、支度を始めなければならない時間になっていた。素早く着替えて1階に降り、いつも通り父、母、姉と一緒に4人で食卓を囲む。


「昨日はどうだった?」


ふと、向かい側に座る母が口を開く。


「バレー部、みんな優しい人ばっかりだったよ。それに、飛雄くんもいたんだ! 久しぶりに話せたんだよ! あっ、でも、飛雄くんともう1人の1年生は体育館出禁になっちゃったらしくてさ〜」


 元から口数が少ない訳ではないけれど、それにしても今日は少し喋りすぎかもしれない。でも、そのくらい、昨日は良い日だった。今日も昨日みたいに素敵な一日になればいいな、なんていう願いは、少しポエミーだろうか。


「春樹、早く準備して。置いてくよ」


 僕が両親と話しながらゆっくりと朝食を食べている間に、姉は先に食べ終わって学校に行く支度まで終えてしまったらしい。


「待って、急いで準備するから!」


 僕は残っているご飯をかきこみ、もぐもぐと口を動かしながら鞄の準備をする。口の中が空になる頃にはそれも終わり、今度は髪をとかしながら歯を磨き始めた。一通り磨き終えれば準備は終わり。急いで玄関で僕を待つ姉の元へと駆けた。


「ごめん、待たせちゃって」


 姉はいいよ、と一言だけ言って玄関の扉に手をかけ、がちゃりと音をたて扉を開ける。春の暖かい日差しが僕たちを照らした。空は雲ひとつない晴天だ。


「いってきます!」


 今日はきっと、良い日になる。そんな気がした。

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作品ジャンル:恋愛
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ハムちゃん大先生(プロフ) - 優麻さん» 了解しました!この物語中に織り交ぜたいと思います。今後の展開にご期待ください! (2020年1月1日 18時) (レス) id: 2a7a4ab774 (このIDを非表示/違反報告)
優麻 - ハムちゃん大先生さん» ぁ、あ、ありがとうございます!及川さんと岩ちゃんと三角関係が欲しいとか言っても…? (2019年11月19日 22時) (レス) id: fe7d430fbe (このIDを非表示/違反報告)
ハムちゃん大先生(プロフ) - 優麻さん» リクエストも募集しておりますので、こんな話が読みたい!という希望がありましたらなんなりとお申し付けください。リクエストは作中に織り交ぜたり、次回作の参考にさせて頂きますので、お気軽によろしくお願いします! (2019年11月19日 12時) (レス) id: 2a7a4ab774 (このIDを非表示/違反報告)
優麻 - ハムちゃん大先生さん» みぎゃああああああありがとうございます!楽しみにしてます!すごい分かります。どうしても悲恋が書きたくなるんですよね。私は書けないんですけど! (2019年11月11日 20時) (レス) id: fe7d430fbe (このIDを非表示/違反報告)
ハムちゃん大先生(プロフ) - 優麻さん» 木兎さんと国見くんもかっこいいですよね! 出来ればこの2人も、物語の中に登場して夢主くん達と絡むようにしたいと思います! (2019年11月10日 17時) (レス) id: 2a7a4ab774 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ハムちゃん大先生 | 作成日時:2019年11月5日 22時

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