へたくそ ページ26
｢下手くそ、下手くそ、下手くそか｣
不思議と歌だったりギターだったり、音楽のリコーダーだったり何でも褒められてきたから、
北斗の｢下手くそ｣今になってちょっとグサッときてて、昨日の帰りになぜかピアノのパンフレットを貰ってきてしまった。練習でもしてやろうかな
『何が下手くそなの？』
後ろからひょいとヘッドホンを外されて机を覗かれる
｢あ、大我｣
『なにこれ、ピアノやんのA』
｢いやちがうちがう｣
『Aはボーカルだからね俺と』
｢まじしつこい｣
『ねえ明日空いてる？』
｢空いてるけど｣
『じゃあ一緒に帰ろ？決まりね』
なんてニコニコしてる。1人で帰るから気にしないでよ
｢きょも〜お昼食べようぜ｣
『樹〜今行く！ばいばいA』
いつから呼び捨てになったんだよあの人。
広げたピアノのパンフレットをそっと閉じる。
なんでこんなの取ってきちゃったんだろう。忘れよ忘れよ
私もどっかで時間潰そうかなと立ち上がるとふいに女子の声が聞こえた
｢やっぱ男好きだよね〜姫野Aさん｣
｢わかる〜クールぶっちゃってさ。結局男じゃん笑｣
聞こえるように悪口？小学生じゃん
ほんとにうるさいんだけど
気にしないでお弁当を開こうとしてもまだ続く悪口に耳が痛くなる
｢ダッサ｣
この一言以上言い返すのもめんどくさくて、教室から聞こえる少しの笑い声も自分の弱さもを振り払うように教室を出て廊下を早歩きで進む
どうせ私が強くないことなんて誰も知らない癖に何がわかるんだろう？考えてもわかんなくて、つい音楽室の前に立つ
・
音楽室に手をかけると、ピアノの音が聴こえたんだ
ドアを開けなくてもわかる。
強いのに優しい音、多分北斗のピアノだ。
思わずドアを開けると、北斗はすぐ私に気づいて演奏を止めて、こっちを向いた
『もうお前の顔見飽きたんだけど』
｢……上手いね、ピアノ｣
『お前さ』
一瞬頭を搔くと真剣に目を合わせてくる
『慣れないことやめれば？』
まるで私の心の内を全て知ってるみたいに、優しい目で呟いた
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はむ(プロフ) - あぷるさん» コメントありがとうございます！頑張ります(*^^*)！！ (2020年5月25日 9時) (
レス) id: d60e95a512 (このIDを非表示/違反報告)
あぷる(プロフ) - とても面白いです！頑張ってください〜！ (2020年5月25日 0時) (レス) id: a22ab0fda4 (このIDを非表示/違反報告)
はむ(プロフ) - プチトマトさん» ありがとうございます！至らない文章ですが続けられるように頑張るのでよろしくお願いします(*^^*)！ (2020年5月21日 17時) (レス) id: d60e95a512 (このIDを非表示/違反報告)
プチトマト - この小説すごい大好きです！頑張ってください！ (2020年5月21日 17時) (レス) id: 95a92f1734 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はむ | 作成日時：2020年5月20日 9時
