おはよう ページ21
5時ぐらいまで寝れなくて、2人で自分の身の上話や音楽の話をして、起きたのは正午前だった
『A起きたー？』
｢寝てる｣
『起きてんじゃん』
｢今日サボる｣
『そうしよっか』
｢どうせ遅刻だようちら怒られるかな｣
『ねえねえ』
大我がベッドの上で正座してこっちに向き直す
『月曜またあるんだけど、来る？』
｢なにが？｣
『軽音の集まり』
｢うーん…｣
うーん…この一晩で彼の人柄に触れて、少しだけ心を開いてもいいかなとは思ったけどやっぱり部活は入る気になれない
『まだむずかしい？』
女子みたいにあざとく上目遣いで目線を合わせてくる
｢考えとく｣
大我はまたあざとく、しばらく考えるポーズを取ったかと思うと、何か思いついたように部屋を見回してこう言った
『ちょっとギター貸してよ』
｢古いよあれ｣
『いいからいいから』
私の古いギターとピックを渡すと、彼は知らない曲を歌い出した
・
大我の歌声は透き通っているのに芯がある不思議な声で、歌っている途中もその綺麗な真っ直ぐな瞳は私を捉えて離さなくて、じっと彼を見つめたまま聴き惚れていた
『どうだった？』
｢うんなんかすごい…｣
『すごい？』
｢綺麗だね｣
そう言うと大我の顔がぱあっと明るくなる
褒められるの好きなんだ
『でもさあ、Aも上手いよ』
｢それはない｣
『なんで軽音入りたくないの？』
｢自信ない｣
『路上ライブしてたくせにね』
｢歌もだし、人間関係も｣
『俺が自信つけてあげる！いっぱい！』
｢そんなのできる？｣
『まかせてよ。だからさ…』
・
『俺はAと一緒に歌いたいよ』
急に少しだけ声が低くなって、私の手を掴んで真剣に目を見つめてる
｢考えとくね｣
『なんでだよ！全然変わってないじゃん』
大我はショックを受けたようでベッドに倒れ込む
なんか子供みたい
｢でも前よりは入りたくなった｣
『マジあのことバラすからね！俺』
｢勝手にすれば｣
・
大我とのやり取りが不思議と軽いものになったのは自分でもわかる
心開けてるかな？どこかこの状況を楽しんでる自分に少しだけ疑問が浮かんだ
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はむ(プロフ) - あぷるさん» コメントありがとうございます！頑張ります(*^^*)！！ (2020年5月25日 9時) (
レス) id: d60e95a512 (このIDを非表示/違反報告)
あぷる(プロフ) - とても面白いです！頑張ってください〜！ (2020年5月25日 0時) (レス) id: a22ab0fda4 (このIDを非表示/違反報告)
はむ(プロフ) - プチトマトさん» ありがとうございます！至らない文章ですが続けられるように頑張るのでよろしくお願いします(*^^*)！ (2020年5月21日 17時) (レス) id: d60e95a512 (このIDを非表示/違反報告)
プチトマト - この小説すごい大好きです！頑張ってください！ (2020年5月21日 17時) (レス) id: 95a92f1734 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はむ | 作成日時：2020年5月20日 9時
