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．
「………………A？」
【着信中：F】の文字はまだ鳴り続けてる。
後ろからゆっくりと近づく足音。
体が固まったまま動けない。
足音は真後ろで止まった。
すぐそばで感じる、深澤君の香り。
「A」
さっきよりもはっきりと名前を呼ばれて
心臓の音がどんどん速くなる。
ポタッとスマホの画面に水滴が落ちた。
……え？
そっと頬に触れると指が水で濡れた。
私、泣いてる？
止めようにも止まらなくて
どんどん溢れてくる。
焦ってゴシゴシと目を擦ったら
後ろからパシっと手を掴まれた。
そのままゆっくりと体を後ろに向かされる。
俯いていた視線をあげる。
目が合うと、掴まれている手の力が強くなった。
「A、なんだろ？」
あぁ、ダメだ。
その声で名前を呼ばれたら、きっともう騙せない。
分かってた。
私にとって深澤君の声は
奥の方にしまっていた記憶の扉を開ける鍵みたいなもので
その声で名前を呼ばれれば、色んな思いが溢れ出してしまう。
それは、怖くて逃げたくなるものだったのに
なんでかな
今、こんなにも胸が熱いのは。
確かに苦しいのに、とてもあたたかいの。
『…そうだよ』
『水瀬Aは、私だよ。深澤君』
こんなにもあっさりと、仮面が外れてしまうなんて
想像もしてなかった。
次の瞬間、掴まれた手を引かれて
正面から抱きしめられていた。
すぐそばで聞こえる吐息。
あの頃と変わらない、深澤君の香り。
「…ごめん、色々聞きたい事あるんだけど」
頭の後ろと腰に回された手にさらにグッと引き寄せられる。
「今はもう少しだけ、こうさせて」
黙って小さく頷いた後
私も、背中に手を回した。
ねぇ、深澤君。
私もね、本当は聞きたい事、話したい事沢山あるんだよ。
色んな気持ちがぎゅっと絡まって
自分でも全然整理は出来てないけど
やっぱり、会いたかったんだよ。
10年。
その間に積もっていたお互いの気持ちを言葉にする前に
色んなことは後回しにして
今はただ、お互いの存在を確かめ合うように、しばらくの間抱きしめあった。
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mamemiya(プロフ) - 9ozGwlWp1FwmuQ6さん» お気遣いありがとうございます🙇✨不定期ではありますが、楽しんでいただける様頑張ります🙌 (2月23日 20時) (
レス) id: 8b0826854e (このIDを非表示/違反報告)
mamemiya(プロフ) - kana0223さん» 待っていてくださって嬉しい限りです。目まぐるしい展開ですが、楽しんでいただけると嬉しいです( ˊ̱˂˃ˋ̱ )✨ありがとうございます！ (2月23日 20時) (レス) @page25 id: 8b0826854e (このIDを非表示/違反報告)
9ozGwlWp1FwmuQ6(プロフ) - 更新嬉しいです！すごく大好きなお話なのでこれからも楽しみにしてます！mamemiyaさんの無理のない範囲でよろしくお願いします🥺 (2月23日 20時) (レス) id: 7a9b862c91 (このIDを非表示/違反報告)
kana0223(プロフ) - 更新、楽しみに待ってました！今後の展開も楽しみです (2月23日 19時) (レス) @page24 id: 4dcf6e8975 (このIDを非表示/違反報告)
mamemiya(プロフ) - アーヤさん» コメントありがとうございます😃！これからも楽しんでいただける様に更新頑張ります💪✨ (10月21日 19時) (レス) id: 8b0826854e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mamemiya
| 作成日時：2024年10月19日 23時
