冷たい手-1-【紫】 (ページ41)

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部屋に戻るとベッドに横になり枕に顔を埋めて声が漏れないように泣いた＿＿

『・・・濱田さんのバカ・・・。』

＿＿＿＿＿＿＿＿＿

実花「＿＿＿っ！＿＿＿てっ！・・・A起きて！」

体を揺らされてやっと自分が寝ていたことに気付く。

『＿＿＿＿あ、ごめん。おはよ・・』

実花「なんかうなされてたよ？笑大丈夫？
さっき濱ちゃんたち来て、釣りに行こって！照史くんが車借りてくれて、10時に出発って言ってたけど・・行けそう？」

時計を見るともう9時半を過ぎていた。

『っ？！え、もうこんな時間？！
なんでもっと早く起こしてくれなかったのー！』

「何回も起こしましたー！」と言って実花は部屋を出て行った。

濱田さんと気まずい・・とか思ってる暇もなく、時間が来た＿＿

ピンポーンとチャイムが鳴って玄関を開けると望くんが立っていた。

濱田さんじゃなくてよかった・・・

望「・・・ひどい顔やな。笑」

『え？・・・っ！な、ひどいって！』

望「・・泣いたん？」

困ったように笑う望くんは私の瞼にそっと手を伸ばして触れた。

望「今日行けそ？笑」

『っ////う、うん。・・大丈夫。』

望「あ、そ。じゃぁ、先車行ってるな。」

そう言って車に向かう望くんの後ろ姿を見つめながら自分の瞼に触れる＿＿＿

実花「＿＿＿もう準備できたって？」

『あ、うん！』

じゃ、行こっか！と玄関を出る実花の後に私も続く＿＿＿