冷たい手-1-【紫】 (ページ37)

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□望side

相談役・・・友達・・・・

どれも自分が望んでる役やない・・・

でもこうでもせんとAちゃんは俺のこと見てくれへんと思ったから・・

今は、今はそれでいい。

Aちゃんが笑顔になるんやったら・・
俺は、俺の気持ちを隠してでもAちゃんに笑顔でおってほしいから・・・

こんな短時間で好きになるなんて思ってもいなかった。
むしろ第一印象は最悪で・・

どうせまたジャニーズってことで濱ちゃんに近づいて来てるんやと思ってた。
昼間だって撮影現場に見に来てたみたいやし。

しかもヴィラの扉開いた時におったときはほんまにビビった。

コンビニで濱ちゃんと話してた子やん・・ってすぐわかって、
あ、もう絶対追っかけやん。って怒りさえ込み上げてきた。

昔、濱ちゃんが追っかけって内緒にして近づいてきた女と知らんと付き合って、
ほんまに傷ついてたの見てるから。
また濱ちゃんがそんな思いをするんじゃないかって心配だったし、
そんなことにならないように早く追い返そうとしてたのに・・・

ほんま濱ちゃん、そういうときのタイミングいいねんなぁ～

で、一緒にご飯食べることになったけど
俺はずっと疑ってた。

みんなの前ってことも気にせず、その子の真意を確かめてみた。

ボロが出るやろ。と思ってキツイ言葉で言ったのに返ってきた言葉は俺への謝罪で・・
ほんまに俺らのことわかってへんみたいやし、逆に教えてくださいって・・・笑

その時の俺に向けられた笑顔からなぜか顔が逸らせへんくて・・

あぁ、おれはなんてことを言ってしまったんや。
なんも悪ないのに最初から疑って、嫌な言い方して・・

ごめん。と謝るとそれでもまだ自分に非があるような言い方してるし。笑

Aちゃんの笑顔がもっと見たくなって、笑顔にしたいと思うようになって＿＿＿

そんな時、濱ちゃんが実花ちゃんを担いで運んでるところをちょうど見てたAちゃんの顔を見て、一瞬でわかった。

あ、この子濱ちゃんのこと好きなんや・・って

濱ちゃんは誰にでも優しいから酔いつぶれた実花ちゃんをただ運んだだけなんやろうけど、
Aちゃんの顔を見るとそんな優しい濱ちゃんに今は腹が立った。

そんな顔させんなや＿＿＿

ちょっと外の空気吸ってくるね。と言って外へ向かうAちゃんの後ろ姿を何も言わず見送るしかできなくて、

俺はふーっと溜息を吐いた後、濱ちゃんの元へ向かった。