25話 ページ26
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「なんでかなぁ・・・？
ずっと私はキヨの事見てきたのに、
ポッと出のあんたなんかがキヨに大切にされて」
カチカチと音を鳴らしながらジリジリとこちらへにじり寄る
その姿に恐怖を感じ後ずさりをする
『も、もしかして、私に嫌がらせしてたの、って・・・』
「当たり前でしょ、キヨに悪い虫がつかないように、
私が守ってあげなきゃ」
『そ、そんなこと、キヨは望んで、ない！』
恐怖をかき消すように大きな声で叫んだ
それが彼女の逆鱗に触れたのか
表情が一変する
「・・・チッ・・・
ちょっとキヨに優しくされたくらいで
いい気になってんじゃねーよ・・・！」
振り下ろされた刃は私の腕を掠める
長袖の制服が切れ腕に血が滲む
『・・・・っ！！』
この人は正気じゃない！
もしかしたら、
殺されるかも・・・！
脳裏にそんな事を考えると一層ガタガタと足が震えた
怖い！
逃げなくちゃ！
そう思えば思うほど足は言う事を聞いてくれず
そこから一歩も動けなくなってしまった
「もぅ、あんたいらないから
バイバイ」
そう言い更に高く腕を上げると
一気に私めがけて振りおろした
あまりの恐怖に
ぎゅっと目を瞑りその場にしゃがみ込んでしまった
「やめろ！！！」
ハッとした、
聞き覚えのある声に目を開ける
『・・・・キ・・・ヨ・・・？』
カッターの刃をグッと握ったキヨの手からは
ポタポタと血が流れ落ちている
彼女もまさかの展開に放心応対のまま
キヨを見つめている
「ど、どうして、ここに？」
「お前がコイツ連れてどっか行ったってヒラに聞いたから
後を追ってきたんだよ」
「・・・・どうして邪魔するの」
「え？」
「どうして邪魔するのよ？！
全部キヨのためなのに！」
気を緩めていたキヨの手からカッターの刃が引き抜かれる
小さく呻き声を上げるとその手からは先ほどの比じゃない量の血液が流れ出ていた
「キヨが誰とも付き合えないって言うから！！
だから、誰も近付けさせないようにしてきたのに・・・！」
「・・・・ごめん」
「ごめんで済むわけないでしょ？？！
どれだけ私が・・・っ！！」
「本当に悪いと思ってる、
・・・俺は好きにしていいから
コイツはなんも知らねぇんだ、だから許してやってくれ」
その言葉に彼女はキッとコチラを睨んだ
しかしキヨの次の言葉で怒りの熱が冷めていった
「俺の、大切なやつなんだ」
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続く (更新停止中)
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しおみ(プロフ) - あっとろさん» コメントありがとうございます！更新遅めですが頑張って行きたいと思います！ (2017年12月15日 15時) (
レス) id: 1b48ac35b1 (このIDを非表示/違反報告)
あっとろ - おもしろい！更新頑張ってください！ (2017年12月10日 0時) (レス) id: 61fa521ea8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しおみ | 作成日時：2017年12月7日 0時
