22話 ページ23
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きっぱりと言い切ったヒラの顔は真剣で
『へ？』と情けない声を出す私を見て
また笑顔になった
『ま、まさか、女の子が怖いとか、
げ、ゲイ、とか・・・？』
“恋愛できない”と言われ
すぐに思った安直な考え
その言葉にヒラはクスクスと笑うと
「違うよ」
と一言
まぁ、前者だとしたら
私に“あんなこと”はしないだろう
「キヨはね、恋愛禁止中なんだ」
『・・・ナニソレ？』
何かの罰ゲームですか？
ヒラの軽い口調とニヤニヤとした表情のせいか
対して重い話題だと思えなかった
「キヨってさ、今では猫被っちゃってるけど
中学ではね、
1番明るいグループの中心で
どんな奴とでも喋れて
成績は、まぁ、下の方だったけど
先生からの評判はまぁまぁよくて・・・
クラスに1人はいるじゃん？
ちょっと調子のいいムードメーカー
そんな感じだったんだ」
私の知ってるキヨもそんな感じ
私からしたら
今の猫被ってるキヨの方が知らない人だ
「キヨはグループの中の女の子の事が好きだったんだけどね
ある日その子は事件に巻き込まれた
たまたまその日は委員会が長引いてね
外も暗くなっていたからキヨは家まで送るって言ったんだけど
その子はキヨに遠慮して1人で帰ったんだ
その後彼女は暴行され学校を辞めていった
キヨは自分に責任と怒りを感じその犯人を見つけ出してボコボコにしちゃったんだよね」
あまりに衝撃な事実に言葉を失う
彼らにとってはもう過去の話なのだろうか
そんな重い話を淡々と話すヒラに恐怖さえ覚えた
『そ、それで、どぅ恋愛禁止に繋がるの？』
「その後ね、警察沙汰になって
流石に理事長である父親でも揉み消せなくなって
仕方なく暫くの謹慎処分となったんだ
キヨは一人息子で跡取りでもあるから理事長は大切にしたい
そこでもぅこんな事を考えないようにと
恋愛禁止と首席の維持を言いつけたんだ
・・・これが事の全てかな？」
ふぅっと小さく息を吐くヒラを見て
私も大きく息を吐いた
一気に空気が重たくなるようだ
まさかキヨがそんな重いものを背負っていたとはつゆ知らず
だとしたらこの前の女の子は一体・・・
“キーンコーンカーンコーン”
そんな事を考えていると予鈴がなる
結局キヨには会えず一言ヒラにお礼を告げ教室を後にした
ヒラは後ろの方で手を振って「また遊びに来てね〜」なんて
彼はどうも掴めない性格のようだ
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しおみ(プロフ) - あっとろさん» コメントありがとうございます！更新遅めですが頑張って行きたいと思います！ (2017年12月15日 15時) (
レス) id: 1b48ac35b1 (このIDを非表示/違反報告)
あっとろ - おもしろい！更新頑張ってください！ (2017年12月10日 0時) (レス) id: 61fa521ea8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しおみ | 作成日時：2017年12月7日 0時
