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｢よーし、それじゃ＿吸魂鬼で練習してもいいかい？｣
｢はい｣
ハリーの緊張が私にも伝わり、私まで緊張してしまう。リーマスが箱の蓋に手をかけ、引っ張ると吸魂鬼の姿をしたボガートが現れた。
ハリーは呪文を叫ぶが、倒れてしまった。
『ハリー！』
｢大丈夫か？｣
立とうとしているハリーに手を貸した。
｢これを食べるといい。それからもう一度やろう。1回でできるなんて期待してなかったよ。むしろ、もし出来たらびっくり仰天だ｣
｢益々酷くなるんです＿母さんの声が益々聞こえてくるんです。＿それに、あの人＿ヴォルデモート＿｣
その名前を口にする魔法使いは少ない。リーマスの顔が青白くなっていた。
『先生、大丈夫？ 』
｢あぁ、大丈夫だよ。すまないね。ハリー、続けたくないならその気持ちは、私にはよく分かるよ＿｣
｢続けます！｣
ハリーの守護霊の呪文を習得したいという、意思は強いと感じた。
｢よし、わかった…。別な想い出を選んだ方がいいかもしれない。つまり、もっと気持ちを集中できるような幸福なものを… Aはいつも何を思い浮かべているかな？｣
『私は大切な人と過ごす何気ない日常かな』
｢大切な人って？｣
ハリーが問いかけた。
『＿家族だよ。お父さんと過ごしてきたこと。平凡な日々が何よりも幸せって言うじゃない？私はその平凡な日常が何よりも幸せかな。』
リーマスがどんな顔をしてたかは分からないけど、これが本音であった。
ハリーは別の想い出を考えていた。
再び箱が開き、ハリーは呪文を唱える。ハリーはまた、倒れてしまった。
｢父さんの声が聞こえた＿父さんの声を初めて聞いた。＿母さんが逃げる時間を作る為に、1人でヴォルデモートと対決しようとしたんだ…｣
｢＿ジェームズの声を聞いた？｣
｢えぇ… でも、先生は僕の父をご存知ないでしょう？｣
｢わ＿私は＿実は知っている。ホグワーツでは友達だった。さあ、ハリー＿今夜はこれくらいでやめよう。この呪文はとてつもなく高度だ…言うんじゃなかった。君にこんなことをさせるなんて…｣
リーマスはハリーにこの呪文を教えていることに後悔している様子だった。
『エクスペクト・パトローナム』
杖が無いため、手から守護霊が飛び出した。相変わらず私の守護霊は人懐っこく、楽しそうに走り回っていた。
『先生、私の守護霊はとても楽しそうにしているでしょう？だから、自信を持って。』
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作者名：作者 | 作成日時：2022年3月14日 21時
