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木曜日の午前中。
最後から二番目のテストは闇の魔術に対する防衛術だ。Aはこれにかなりの自信を持っていた。
みんな曰く、リーマスのテストはこれまで受けたことの無い、独特の試験であったらしい。
障害物競走のようなもので、水魔のグリンデローやレッドキャップ、ピンキーパンク＿そして、まね妖怪のボガートと戦うものだった。
ピンキーパンクまでは楽しかった。
しかし、最後のまね妖怪は何度やっても苦手だった。
初めて成功させれた時のように思い浮かべ、呪文を唱える。どうにか成功できたが、身心共に疲れた。
『リーマス、疲れた…』
リーマスは私の顔を見ると、温もりのある大きな手で私の頭をそっと撫でてくれた。
｢A、よく頑張ったね。｣
たった一言、さり気ないひとつの行動、それだけで沢山の温もりを感じる＿。
これも1種の魔法であると言っても過言ではない。
暫くしてハリーやハーマイオニーがテストを終えてやって来た。
＿最後のテストは占い学。
ロンやハリー、次々と呼ばれていく。
｢A・セレーネ｣
部屋に入るとカーテンは締め切られていた。
｢こんにちは。この玉をじっと見て下さらないこと…ゆっくりでいいのよ……。それから、中に何が見えるか、教えてくださいましな…｣
目の前に置かれている水晶玉をじっと見つめる。白い靄が渦巻いているが何か全く分からない。
｢どうかしら？ なにか見えて？｣
先生は私の水晶玉が気になるのか、じわじわと近づいてくる。何も見えないと正直に言うべきなのか。そう考えていると、背後から太い荒々しい声が聞こえた。
｢月の女神よ 目を覚ませ。｣
『えっと… 先生…？大丈夫ですか？のど飴でも＿』
ローブのポケットからのど飴を取り出そうとした。
｢日記を、予言を見るのだ。
さもなければ、月の女神は自らの闇に呑まれる。
愛にも様々な形がある。友情、家族、恋人＿。愛する者の自らの光で闇を照らせ。道を照らし、記してやるのだ。月の女神の秘めたる力は底知れない。闇の帝王でさえ、この光には逆らえぬであろう………。｣
｢あらら、ごめん遊ばせ。｣
『…先生は月の女神をご存知で？』
｢月の女神…？はて、何のことでしょう｣
先生はダンブルドア先生から頂いたあの日記のことも言っていた。部屋に戻って今すぐにでも見たいという気にもなれないが、見る必要があるのではと思った。
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作者名：作者 | 作成日時：2022年3月14日 21時
