【小説】箱舟の軌跡 (ページ14)

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第13話　ルークページ14

「おーい、まだ終わらないのかよー？！」

　森に入ってから、かなり経っている。もうそろそろ、一旦帰った方が良いんじゃないのか、これ？カナメは無駄にアグレッシブだし、シキも何か手伝ってるし。説得くらい手伝えー！

「まだ、もう少し」

　雑草としか思えないような、地味な花を摘んでいくカナメ。珍しい薬草か？詳しいわけではないから、まったくもって分からない。シキも手伝って、草を摘んでいく。けど、カナメに何か言われて、残念そうにしてる。カナメの目当てのものじゃないみたいだ。違いとか、全然分からないけど。

「ルークも手伝えよ！」

「いや説得しろよ！」

「早く終わらせて早く帰らなきゃいけないんだよ！怒られたいのか？！」

　あ、なるほどな！そういう事か。けどカナメ、時間が余ったらその分続けようとするんじゃないのか？まあ、手伝うか。薬草とかちっとも知らないけど。

「えっと……これか？」

　とりあえず、目についた雑草を抜いてみる。よく見ても……というか、見なくても、普通に雑草だ。少なくとも、俺にはそうとしか見えない。花の色も、くすんでいて地味だし。似たような色の雑草は、他にもたくさんある。

「あ、うん。その子だよ」

　しかし、まぐれにも目当てのものはこいつだったらしい。満足げだ。……あ、シキが悔しそうにしてる。ふっ、流石は俺。運も良い！

「ルーク！どっちがたくさん採れるか、勝負だ！」

「ふっ、俺に勝てるかな？」

「あまり採りすぎないでね」

　シキには負けないぜ！百貨店競争のリベンジだ！