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Ep.9 ページ9

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「 で、なんで俺まで買い出しに付き合わなきゃなれねーんだよ 」

「 それ何回言うのよ。どーせ暇でしょ? 」

「 一緒にすんな 」

「 働かざる者食うべからず。さぁ、歩いた歩いた 」




日が長くなる今日この頃。
今に咲きそうな桜の蕾が可愛らしく実っている。

まだ少し肌寒い夕方を、マフラーに顔を埋め、両手に買い物袋を下げる総悟くんを押し歩く。

スーパーへの買い出し一つだが、普段コンビニしか利用しない総悟くんと、土地勘を掴めていない私だ。苦戦しないはずがなかった。
案の定買い物中も絶えなかった喧嘩。しかし、




「 なにニヤニヤしてんだ 」

「 えっ?いや、なんだか楽しかったなぁって 」


「 だれかと一緒に買い物に行くなんて久しぶりだったから 」




私の前を歩く総悟くんは、茶化さず馬鹿にせず、
ただひたすらに黙って話を聞いていた。




「 ...俺もだれかと買い物に行くなんざガキの頃以来だ 」

「 ......懐かしいな、姉さん 」




話すその表情は、とても柔らかい。
思わず見惚れ眺めていれば、私の視線に気づいたのかそっぽを向いてしまう。



「 今の忘れろ 」

「 なんでよ 」

「お前も気持ち悪いって思うだろ。...周りの奴等はいつもそう茶化す 」




黙って聞いていれば。
思わず腹が立ち、手で両頬を挟めば、避けるように伏せていたその瞳と目が合う。



「 らりすんらよ 」

「 何するかって?それはこっちのセリフ 」


「 私、総悟君の周りの奴等じゃないんだけど? 」




その言葉に弾かれたように見開かれる彼の瞳は、とても澄んだ色をしていた。




「 大切な家族を大切に思って何が悪いのよ 」




言葉選びが下手な私だけれど、
その真っ直ぐな心を大切にして欲しくて。



再び歩き出せば、黙って隣を歩く総悟君。





「 お姉さん、どんな人なの? 」





もうすっかり空は星が散りばめられていて。





「 優しくて、面倒みが良くて、」

「 ...とても綺麗な人だった___ 」





広がる夜空を二人、見上げ歩いた。







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S(プロフ) - めちゃんこ好きです!更新待ってます! (8月11日 14時) (レス) @page37 id: cc16e6db3c (このIDを非表示/違反報告)
春風 - 更新ありがとうございます!とっても嬉しいです!これからも楽しみにしています! (2022年11月30日 15時) (レス) id: 1ece860df7 (このIDを非表示/違反報告)
ツバサ(プロフ) - 更新待ってました…!すごい嬉しいです!銀さん作家だったんだと驚きでいっぱいです!あと文章の書き方がとてつもなく好きです、ありがとうございます! (2022年11月28日 8時) (レス) id: 1052176700 (このIDを非表示/違反報告)
むぎ - このお話大好きです…!更新待ってます! (2022年4月4日 18時) (レス) @page31 id: fc9ca49c49 (このIDを非表示/違反報告)
- 何回見ても、ストーリー面白いし好きです!更新されること願ってます!!!! (2022年1月6日 23時) (レス) @page31 id: b23a2b20e9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:□白澤□ | 作成日時:2020年12月1日 12時

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