Ep.4 ページ4
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「 銀時さん、お風呂って___ 」
リビングらしき部屋のドアを開ければ、見知らぬ人達の視線が一斉に私に集まった。
「 銀時の新しい女? 」
「 女遊びも大概にしろってんだ 」
何だこの人達は初対面に向かって...
込み上げる怒りを飲み込み、簡易的な愛想笑いを貼り付ける。
「 今日入居した宇佐美Aです 」
「 どうぞよろしく 」
軽く会釈程度のお辞儀をすると、銀時さんの横に座っていた男性がニコニコと口を開く。
「 俺は神威。よろしくネ 」
「 土方十四郎 」
「 沖田総悟 」
ひらひら手を振る神威さんと打って変わって、無愛想に名乗る土方さんとこちらを見定めるような目付きの沖田さん。
沖田さんの視線に心地悪くいると、その人はクスりと小さく笑う。
「 指図め彼氏いない歴イコール年齢の芋女ってとこですかィ 」
理性と言う名の糸の切れる音がして。
「 指図め制服がダサいイコールの真選高校ですか 」
にっこりと笑えば、言い返されると思っていなかったのか。自身の纏う制服に視線を落とし、言葉を詰まらせる。
一瞬驚いたかのように目を見開き、すぐさま声を上げて笑う神威さんと土方さん。
「 ...旦那、なんなんですかィこの失礼な女 」
「 だから言ったろ?おもしれぇヤツが来たって 」
失礼なのはどちらか。
強気な顔でドア前に仁王立ちしていると、後ろから聞こえる声。
「 ...邪魔だ 」
振り返れば、眼帯が特徴的でどこか妖艶な雰囲気の男性。見下ろされる視線に吸い込まれそうだ。
「 晋助の女は相変わらず香水がキツい 」
手で空気を扇ぐ真似をする神威さんに構わず、1人用のソファーに座るその男性。
「 こいつで最後だな 」
「 高杉晋助。とって食われちまわねぇよう気をつけろよ 」
「 危ねぇのはおめェだろ銀時 」
銀時さんの言葉に余裕な表情で言い返す高杉さん。
呆然とするも、先程の言葉が引っかかる。
「 最後って...えっと...ここにいる人で全員ですか? 」
各々頷く5人に、流れる冷や汗。
「 あの...女性って... 」
「 お前だけ 」
白々しい顔で答える銀時さん。
私の悲鳴に似た叫び声が、まだ肌寒い夜空にも届いただろうか___
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S(プロフ) - めちゃんこ好きです!更新待ってます! (8月11日 14時) (レス) @page37 id: cc16e6db3c (このIDを非表示/違反報告)
春風 - 更新ありがとうございます!とっても嬉しいです!これからも楽しみにしています! (2022年11月30日 15時) (レス) id: 1ece860df7 (このIDを非表示/違反報告)
ツバサ(プロフ) - 更新待ってました…!すごい嬉しいです!銀さん作家だったんだと驚きでいっぱいです!あと文章の書き方がとてつもなく好きです、ありがとうございます! (2022年11月28日 8時) (レス) id: 1052176700 (このIDを非表示/違反報告)
むぎ - このお話大好きです…!更新待ってます! (2022年4月4日 18時) (レス) @page31 id: fc9ca49c49 (このIDを非表示/違反報告)
粥 - 何回見ても、ストーリー面白いし好きです!更新されること願ってます!!!! (2022年1月6日 23時) (レス) @page31 id: b23a2b20e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:□白澤□ | 作成日時:2020年12月1日 12時