嫉妬 〔 坂田銀時 〕 ページ21
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雲が穏やかに流れる午後。
万事屋にもゆっくりと時間が流れる。
ソファーに座り、ジャンプを読み進める
私の彼氏、銀時さん。
その隣に座り、流れるニュース番組を眺める。
新八くんはお通ちゃんのライブ。
神楽ちゃんと定春は散歩。
静かな万事屋に、響く声。
『 土方さんってお役人に見えませんよね 』
「 瞳孔開きっぱなしだもんな 」
ジャンプから視線を移さず適当にする返事に、呆れからのため息を吐くゆき。
『 女子からカッコイイって人気ですよね 』
「 ちょ..なに言ってんの..? 」
その言葉にピクリと反応させ、ジャンプから顔を離せば
真選組が映るテレビに夢中な横顔。
「 な、なに?あんなのがモテるの?あんなニコ中が? 」
『 まぁ目は死んでませんからね 』
ゆきの皮肉とも言える発言に、今度は銀時の声が響いた。
「 あー!そういうこと言うのお前!そういうこと言っちゃうんだへぇー!! 」
「 そんなに良いなら真選組の子にでもなったらいいわ!! 」
隣を見れば、顔をわざとらしく逸らす銀時さん。
あんただって毎日結野アナに求婚してるじゃないですか..
『 はいはい 』
『 じゃあ私は真選組の子になるために 夕ご飯のお買い物でも行ってきますね 』
慣れたように返答するゆきは、
支度のため、ソファーから立ち上がる____
が、
『 なんですか 』
「 は?別にぃ? 」
口を尖らせながら、私の手首をがっしり掴む。
「 俺だってちょっと力めば瞳孔開くし!?前髪だってV字になるし??! 」
『 ..嫉妬ですか 』
「 ちっげーよ!!! 自惚れんのも大概にし___. 」
『 私じゃなくて、世間の女子達の意見ですよ? 』
『 私がカッコいいと思うのは貴方だけですから 』
ピクっと動く眉毛に、掴む手の力がゆっくりと抜けていく。
固まったままの銀時さんに向き直った。
『 ほら 買い物デート 、行きましょ 』
口元を手で覆い隠しながら、
差し出した手を握ってくれる。
『 なんですか 照れてるんですか 』
「 ッせーよガキが!覚えとけよ! 」
「いつもの銀さんこんなもんじゃないからね!大人の本気見せちゃうからね!!? 」
小さく笑うゆきに、
耳まで真っ赤に染める銀時。
2人の影が、楽しそうに
夕日で伸びてゆく。
- 嫉妬 〔 坂田銀時 〕END -
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いんぬもぬっこも好き - 銀さんの〈前世の恋〉感動……控えめに言って泣きました…作者さん大好き… (2022年9月3日 21時) (レス) @page26 id: 529ebb08c2 (このIDを非表示/違反報告)
Taku(プロフ) - ちょっと!ヅラ(ヅラじゃない、桂だ)ヅラよ!(ヅラじゃない、桂だ)ちょっと夢主ちゃんそこ変わって!300円あげるから!! (2020年4月29日 0時) (レス) id: b3862cde2f (このIDを非表示/違反報告)
ゆきち(プロフ) - とりあえず大好きです。 (2019年8月16日 22時) (レス) id: 1d6534994e (このIDを非表示/違反報告)
雪うさぎ - 新八の話しが見てみたいです。激甘?そんな感じでお願いします!これからも応援してます (2019年5月25日 20時) (レス) id: cd19b8b7b7 (このIDを非表示/違反報告)
山崎照葉(プロフ) - 山崎の嫉妬なんかどうかなぁ……((チラッ ……書いてほしいです!! (2019年4月15日 18時) (レス) id: b8ce9cd4fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:□白澤□ | 作成日時:2017年8月7日 13時