命尽きるその日まで ページ12
他の柱も目を見開いている。
それもそうか。
何時も穏やかな御館様から僅かに感じる気配。
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怒気だ。
長い付き合いの悲鳴嶼さんでも見た事が無いであろう。
そうさせたのが私絡みの事だと思うと
嬉しい反面、申し訳なくも思う。
「……鏡花、遠慮する事は無いよ。
君は今まで多大なる功績を残してきた。
私はそれを知っている。
何か、望みはあるかな??」
-
望み……
私が今、望む事は。
やり残した、と思う事は…。
『……それでは、1つ、お願いが。』
「何だい?」
『この残された2週間、
任務に携わることをお許し願えませんか?
2週間、最期の日まで…
命尽きるその時まで………
-
-
私は鬼殺隊の剣士で在り続けたい。
御館様の眼で、足で、剣で在りたい。
……どうか、お願い致します。』
-
「鏡花………」
「そんな事を言って地味に逃げ出すつもりじゃねえだろうな?」
「ハッ、今更んな事言っても無駄だァ」
「宇髄さんの言う通りです、御館様。
逃亡の可能性があるため危険かと。」
「否……許可しよう。」
「御館様……何故かお伺いしても……」
「勿論監視をつける。
鏡花、君の任務にはどれも監視担当の柱が同行する。
それでも構わないかい?」
『ええ、勿論です。』
「皆、思う所はあると思う。
けれど、皆は柱だ。
容易く逃げられる事は無いだろう。
皆にもその自負があると思う。
私は信頼しているよ。
柱の皆の力と、
_________鏡花を。」
-
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その言葉は、私が逃げないという事を
指しているだけでは無いように感じた。
私自身を、信じてくれている様な。
「じゃあ今日の柱合会議はここ迄にしようか。
勿論この事は他言無用で。
日が近づいたら私から隊士達に知らせよう。
監視の順番が決まったらまた知らせておくれ。
……鏡花、この後少し話をしたい。
大丈夫かな??」
『御意。』
私が返事をすると、御館様は少し微笑みを深くして去っていった。
他の柱は甘味処に行こうだの
今夜は誰それの屋敷で宴だの騒いでいる。
相変わらずな様子にもうため息も出ず、静かにその場を去った。
ー
何処からか、彼岸花の香りがした。
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光闇 - ハッピーエンドでいいんですか? (6月8日 22時) (レス) @page22 id: 2a2d152930 (このIDを非表示/違反報告)
アマリス(プロフ) - 柱達と仲直りしないんだね!良かったー!あんな人殺し集団と仲良くする義理なんてないって! (2023年1月31日 9時) (レス) id: 7d0074fb6d (このIDを非表示/違反報告)
桜井直(なお)(プロフ) - 面白いです!終わりとなってたんですけどもう終わりなんですか? (2022年9月23日 22時) (レス) @page24 id: ee464fdcd2 (このIDを非表示/違反報告)
伯愁(プロフ) - マナさん» 夢小説と名乗る以上当方での完全な名前固定は致しかねます…申し訳ありません。 登場人物設定の「夢主」の欄に何も入力されないとデフォルトの名前のままお楽しみ頂けるかと思います。 ご希望に添えず申し訳ありません。ご理解頂けると幸いです_(。。)_ (2022年1月27日 19時) (レス) id: ca8a5a890b (このIDを非表示/違反報告)
マナ - 名前変換しなかったら、名前は鏡花のままですか? (2022年1月25日 17時) (レス) id: d0a320b2d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:伯愁 | 作成日時:2020年5月10日 20時