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中途半端のおかげ? (22) ページ22

貴『いいさ、きっと誰かがやってくれる』



「嫌だ!!私を消せ!!こんな痛みを望んだわけじゃない!!」



貴『我儘言うなよ…弱者が。』




傷だらけで身動きができない中年男のちびヒゲ野郎。


大金持ちで雑用食事等を他人に押し付ける人間、私は本来なら消すべき人間達を消さずに生かしてしまう。




徹底しない。

外道だの他人任せだの…と言われる。



ただ、面倒なのだ。



手を振り下ろすことさえ、興味を失った瞬間が偶然終わる一歩手前。



それを悪く言われる筋合いはない。



それは弱者の言い分だ。



だが、面倒くさがる私も弱者。





徹底しないが為に、暗殺されようとしているのだ。




月の光が窓から差し込む私の部屋で目の前にいるこの白髪の少年に。





貴『金持ちの誰かに頼まれたのかな』



「ま、死んでく奴に教えても問題ないか。そう、ちび髭。」




私が心の中でいた名称と同じで、思わず笑ってしまった。


不思議に思ったような顔をする少年に問いかける。



貴『君もそう付けるんだね?』



「まあね。……あんた、どうやって死にたい?」




優しい笑顔でこちらを見た。


これから私を消す人には見えず、驚いた。


死に方…考えたこともない。




貴『んー…そうだな…』



「ね、冥土の土産に俺の名前覚えてってよ。」




キラキラした表情に戸惑ったが、頷くとへへっと照れたように笑った。




「キルア。キルアって呼んでみろよ」



貴『ど、どうして?これから私を…』



「呼んでくれたら、その理由教えてやる」



貴『え、ええ?』




コロコロ変わる話題についていけず戸惑いを隠せなかった。

何がしたいのかわからない。




キル「ほーら」




ただの子供にはみえない、いや、ここに来ている時点で普通ではないのは明らかなのだ。




貴『き、キルア…』




キル「………すげえ可愛いじゃん」




何故か名前を呼ぶのも恥ずかしくて、可愛いという単語に不馴れで余計顔が熱くなった気がした。




あれ?私死ぬんじゃ…




キル「…消したくない。仕方ない、俺の依頼人は消えてもらうしかないな。」




何を言っているのかわからず混乱していると、またふんわりと微笑み、頬に手を当てられる。




キル「面倒くさがりで可愛くねえって依頼人が言ってたのに…」





ある意味期待外れだな





そう微笑む彼の瞳は真剣としか思えないもので、その視線を直に浴びた私は昏倒した。

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設定タグ:HUNTER×HUNTER , 短編集   
作品ジャンル:アニメ
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白亜(プロフ) - 神無月藤四郎@もか丸さん» コメントありがとうございます!楽しみにしてくださって嬉しいです 頑張ります! (2018年5月10日 22時) (レス) id: f49322fecc (このIDを非表示/違反報告)
神無月藤四郎@もか丸(プロフ) - 更新楽しみにしてます!頑張ってください! (2018年5月10日 0時) (レス) id: 9647401f65 (このIDを非表示/違反報告)
まき - ? (2018年5月9日 20時) (レス) id: d04c139f6a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白亜 | 作成日時:2015年11月3日 23時

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