とある幕末の花魁の姉と、刀剣に生まれ変わった妹がブラック本丸に行く話。【刀剣乱舞】 (ページ8)

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｢伽羅ちゃん、私たちもう何日ここにいるの？｣

｢さぁな。あと、その呼び方やめろと言っただろ｣

不貞腐れて、反対方向を向いてしまった彼に

｢でも呼んだら返事してくれるだろ｣

と言ったら、耳が少し赤くなってた。

｢次は返事しないからな！｣

｢はいはい｣

思ったより顔に出やすい大倶利伽羅が面白くて、神室は吹いてしまった。

暫く大倶利伽羅をいじってると、後ろから声をかけられた。

｢大倶利伽羅殿、ですな？｣

｢アンタは、一期一振か。｣

振り返ると、浅葱色よりは少し薄い髪色をした青年が立っていた。

｢貴女は…｣

｢…私は神室だ。｣

一期一振は物珍しそうな目で見た。そこで、大倶利伽羅が言葉を補う。

｢こいつには“銘宗近”と刻まれていた。多分三条派だろう。自分を人間だと言い張っている。｣

どこか余計な部分があるように思えるが、正論だったため、神室は口を開かなかった。

｢三条ということは、小狐丸殿や三日月殿の妹君ですな！｣

｢三日月…？小狐丸…？いやいや、お兄さん、私は確かに妹だけれど、私の姉はそのような名ではないな。｣

｢姉、ですか…？三条には女性の太刀もおられたのですな！｣

白目を向く神室とは正反対に、一期一振はとてつもなく爽やかな笑顔をみせていた。

｢一期一振、話が噛み合ってないぞ。｣

助け舟、大倶利伽羅。

神室は彼の背後に周り、背中を合わせて寝始めた。

｢おい、人の背中で寝るな！｣

｢……｣

あまりにも心地よかったので、寝て振りをした。

｢仲がよろしいようで、なによりです｣

また爽やかな笑顔を向ける彼にため息をついた大倶利伽羅だが、その場から避けようとはしなかった。

｢つ、潰れる…｣

｢大倶利伽羅殿！？｣

神室が熟睡した頃、流石の大倶利伽羅も限界が来たようだ。