とある幕末の花魁の姉と、刀剣に生まれ変わった妹がブラック本丸に行く話。【刀剣乱舞】 (ページ16)

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暫く眩しい空間に包まれたが、いつの間にか地に足が着いていた。

大倶利伽羅と神室が目を開けると、そこには驚く姉と4人の少年がいた。

｢神室…？神室よね？｣

｢姉上…？｣

するとAは神室を抱きしめる。

神室は何がなんだかさっぱりわからなかった。

残った4人の少年は大倶利伽羅がいることに驚いていた。

｢なんで大将の脇差から大倶利伽羅が出て来たんだ！？｣

｢あいつの手を掴んだら、ここにいた。｣

｢不思議なこともあるのですよ｣

こんのすけが信濃の肩に乗って言った。

｢あいつが審神者か｣

すると後藤、信濃、薬研、厚は険しい顔になり、大倶利伽羅の前に立つ。

｢ダメだよ！大将を殺さないで！｣

｢は？｣

大倶利伽羅は、状況を把握出来なかった。

｢前任が最低なのは確かだよ…でもね、あの人はあの女とは違うんだよ！優しくて、温かくて…だから殺さないで！｣

前任という言葉を聞いて、やっと状況を掴めた大倶利伽羅。

｢安心しろ。俺はあいつの姉を殺すつもりは無い。｣

｢大倶利伽羅、あの脇差を知ってるの？｣

｢あぁ。白い空間で出会った。そういや一期一振や今剣、石切丸もいた。｣

｢いち兄が…！｣

眉を八の字に寄せる4人を見て、

｢心配ない。やつは元気だ。｣

と、一言添えた。

すると少しだが彼らの表情が明るくなった。

一方、Aは神室に自分がここにいる理由を説明した。

｢そうだったのか…姉上、今度こそ姉上を護るからね｣

｢じゃあ私は、貴女を護るね、神室。｣

すると神室は緩く微笑んで、Aに抱きついた。

｢審神者…いや、主、頼みがある。｣

大倶利伽羅がAの前にひざまづいた。

｢光忠を、助けてくれ…｣

拳をさらに握りしめる彼の肩に、Aはかがんで手を乗せた。

｢ええ。もちろん。場所、教えて頂けますか？｣

すると大倶利伽羅は立ち上がり、珍しく笑顔を見せた。