ランドールの魂を宿した僕は転生者6（twst男 not監督生）

予期せぬ出来事（リドルside） ページ28

難破船が佇む海辺
ジェイドを救出したあと、僕らはそこへと飛ばされた
全く、ここは本当に謎の空間だ
こんな非常時にも関わらず喜ぶラギーとオルトを横目に僕は共感できないでいた
海に何を求めているのだか……

「実際、難破船には財宝がそのまま残されていることも多いですからね。珊瑚の海でも沈没船は、幼い人魚には人気の探索スポットです。」

ジェイドまでそんなことを言う
薔薇の王国、それも内陸に住んでいた僕には縁遠い世界の話だった
そう言う旨を伝えるとジェイドは意地悪そうな笑みを浮かべて言った

「またまた、リドルさんといえば海へのとびきり深いこだわりがあるじゃないですか。」

「え？なんのこと……はっ！ま、まさかあの話をするつもりかい！？」

あの件をバラそうというのか……！
ラギーもオルトもこの場にいるのに！

「あの話？」

あぁくそこういう時に限って興味津々じゃないか！
というかジェイドのやつ他人のプライベート情報をバラそうとするとか情操概念はどうなってるんだ！

「やめろ！今ここでわざわさ蒸し返す話じゃないだろう！」

僕が怒って言ったその時だ

「「うわぁぁぁん！」」

「あっ、丁度いいところにゴーストが……ん？」

「なんか様子が変じゃないっすか？」

「もしかして……泣いてるの？」

「おやおや。何かあったのでしょうか？」

ゴーストが突然飛び出してきたかと思ったらわんわん泣きながら去っていく
僕はすかさずそれを引き止めた

「おいお前達！いったい何を嘆いておいでだい？」

思わず聞くとな涙ながらにゴースト達は語りだした

「とんでもない化け物に鏡の欠片を奪われたんだ！」

「奪われた？鏡の欠片を？」

「そうよ！それにとっても恐ろしかった……！」

「鋭い牙、巨大な体、気持ち悪い無数の手足に音もなく、姿を突如表したかと思うと凄まじい咆哮を上げて私達をくらわんと襲いかかってきて……！ひぃ！思い出しただけで鳥肌が！」

「鳥場だって……肌あるんすか？」

「やかましい！くそ……こんなのあの御方から聞いてない！いつの間にあんなのが住み着いたんだ！」

震えるゴースト達の様子からして何やらイレギュラーが起きているようだ
もしかして黒幕も予期していなかったのか？
それに化け物……？

「ちょっと待ってくれ。あのお方とはいったい……」

「また欠片を集め直さなきゃ！」

「急げー！」

「あぁこら待たないか！おい！」

慌ただしくゴースト達は僕らを置いて逃げてしまった

「……何が起こってるんだ。」

異様なそれに僕は恐怖を覚えた

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