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「お医者様からききました、痣が残るかもしれないって」
「ぇ、あ、そんな私が悪いんです」
「ぇ」
「その、ご迷惑でしたよね、いろいろと付き纏ってしまって」
「ぁ、いえそんな」
先程の挨拶とは比にならないぐらい深く頭を下げれば困惑した声がふってくる。そりゃそうなる、だって昨日まで駄々っ子お嬢様だったんだもの。
「その、本当に迷惑をかけてしまって、今更遅いと思われるのは当たり前だと思います。でも謝らせてください」
真っ直ぐ目をみて謝れば翔太様はバツが悪そうに目をそらす。
「傷のことで責任を感じていらっしゃるのなら全然気にしないで下さい、傷物にしてしまったから責任を取って結婚するだとかそういのも本当に平気です。あの結婚話はもともとわたしが強行したもので翔太様の意見も聞かずに……」
「馬鹿なことをしていたな、と目が覚めました。こんな私のわがままに翔太様を振り回す訳にはいきません。傷のことはお気にならさず婚約破棄しませんか？」
「それはできません、女性に傷をつけてしまったのはなんであれ事実なんですから」
「え、」
思っていた言葉に戸惑いを隠せない。え、この流れは完全ここで婚約破棄の流れじゃなかったの？ 翔太様は私の膝の痣をじっと見ている。
「いや、でもほんとに気にしないでくだされば……」
「いや、それは」
悶々と表情を曇らせて悩む翔太様。そうだ、彼美容や外見に人一倍拘りをもつ人だった。だから私が痣を作ったのは自業自得だというのに自分が加担したと責任を感じているのかもしれない。あっさりと婚約破棄を受け付けてくれると思っていた私は困惑を隠しきれなかった。
「とりあえず、長居も無礼なのでここで失礼します」
「わかりました、わざわざありがとうございます」
「お大事になさってください」
教養がでる一礼をしたあとその場を去る翔太様の背を見つめる。……どうしよう、私のプランではここで婚約破棄成立の流れだったから正直何をすればいいかが分からない。呆然と彼が出ていった扉をみつめる。
……ゲームではヒロインや友人にはタメ口だったからあのイケメンの顔で丁寧な言葉使われるの新鮮すぎて慣れないなぁ……。
雪乃が部屋に入ってくるまで、どこか他人事のように考えることしかできなかった。
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yuu(プロフ) - 何度も読み返してニヤニヤしちゃってます。続き楽しみに待ってます✨ (7月3日 7時) (
レス) @page40 id: e9ef2b1857 (このIDを非表示/違反報告)
優希(プロフ) - 更新楽しみにしてます🥺 (6月20日 15時) (レス) @page40 id: e49244e76b (このIDを非表示/違反報告)
kazunoko(プロフ) - 3週目突入しました笑更新楽しみにしてます！ (2023年3月12日 17時) (レス) id: 38c9d09af9 (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - uzuuzuさん» 応援ありがとうございます！励みになります🤍 (2023年3月3日 19時) (レス) @page40 id: d035e17497 (このIDを非表示/違反報告)
uzuuzu(プロフ) - 面白いですね…先が気になります！頑張ってください！無理しない程度に^_^ (2023年3月1日 0時) (レス) @page40 id: 37fe505308 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：時雨 | 作成日時：2023年2月7日 22時
