白昼夢の羊 (ページ17)

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黒田「皇輝くんここわかんない！」

『俺は黒ちゃんの先生じゃないんですけど？』

黒田「良いじゃーん、教えて教えて！」

『はぁ…どこ？』

黒田「ここ！」

リビングに響き渡る黒田さんの声、それに呆れた顔をしながらも隣に並んで座り、黒田さんが広げたノートを覗き込む皇輝さん

その姿だけ見れば、なんてことない日常の1コマなんだろうな

ちょっとほっこりした気持ちになりながら2人を眺めていれば、ボスッと隣に腰を下ろしたのは織山さんで。

織山「…ねえ、」

「あ、はいっ！」

織山「皇輝くん、最近どう？」

「ずっと優しいですよ。行く宛のない私と一緒にいてくれてますから」

織山「…ひとつ、お願いがあるんだけど」

「お願いですか？」

織山さんから真剣な眼差しを向けられて、少なからず私だって身構える

織山「何があっても、どんなに酷い事実を知っても…皇輝くんを拒絶しないでほしい」

「え…？」

織山「許されないことだってわかってる。けど！君だけが…皇輝くんを救えるから…」

「あの、皇輝さんは私の命の恩人です。どんなことがあっても離れたりしませんよ」

織山「…ありがとう。それと、ごめん」

今にも泣き出してしまいそうなほど顔をグシャグシャに歪める織山さん

全てを知っている織山さんと、何も知らない私…だけどこれだけは言える。何があったって、皇輝さんを拒絶したりしない

私にとって皇輝さんは、誰よりも大事な存在なんだから。

そう伝えると、織山さんの表情が柔らかくなって安心したような笑みが浮かんだ