お前は、全部知ってたんだもんな。 ページ43
フェイ) っ! チッ
フェイタンが小さく声を出す。
どうやら、強引に武器を構えようとして手首を切られたらしく、腕を押さえている。
A) 別に、オレが見えている必要は無い。
そいつらには1本1本、自我があるからな。
…次動けば、腕を落とす。
大人しくしていろ。
Aはクロロから目を離さず、低い声でそう言った。
クロ) (…凄まじいオーラ量だ。
纏わせきれずに、少しずつ放出されているな。
それに加えてざっと100本はある念でできたナイフを、具現化し操ることも出来るのか…。)
クロロはAの能力を分析し始める。
シャル) (団長、' 奪う '気か…!なら、)
ねぇ、A。目的は何なの?
俺たち全員殺すこと?
シャルナークが、突然口を開く。
Aがゆっくりとシャルナークに顔を向ける。
同時にクロロの周りに、先程より多くのナイフが配置された。
A) …残念ながら違う。
オレとしては、クロロ=ルシルフルだけでも殺したいところだが。
クロ) …先程から、まるで誰かに止められているような言い草だな。
A) …ああ。
Aが俯きながらそう答える。
空気の重々しさが増す。
クロ) へぇ。一体、誰が?(( っ!団長!
クロロがゆっくりと相手の様子を伺いながら問いかける。瞬間、Aは一瞬でクロロの目前まで移動し、クロロの目を見つめる。
団員たちに動揺と緊張が走る。
A) クロロ=ルシルフル。
お前のそういう所は気に食わないな。
…一体、Aはこんな人間の何に執着しているのか。
(ボソッ)
Aの蒼い瞳が僅かに揺れる。
クロ) (二重人格…か。)
A) …やはり、まだ早かった。(ボソッ)
Aはスッと目を閉じ、そう呟く。
そして、クロロの背後に回って膝をつかせた。
クロ) …?
A) 安心しろ。
心優しい少年は、お前達に危害を加えないようだ。
そして、もう二度と顔も見せない、と。
Aは団員全員に聞こえる大きさで告げた。
その後、クロロの耳に口を寄せる。
A) …ありがとう。
さようなら、クロロ。
クロ) …!(Aっ?!)
Aはそう囁いて、クロロから離れ、アジトの出口に向かい歩き出した。
途中でヒソカとすれ違う。
ヒソカはAを呼び止めるように視線を送る。
すると、Aはヒソカの方を見て、眉を下げながら笑顔を作った。
A) お前は、全部知ってたんだもんな。
ヒソ) …うん♣
49人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「HUNTER×HUNTER」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
シロ(プロフ) - 1章の字を間違えてました、すみません...。 (2020年2月10日 10時) (レス) id: 6110f6241d (このIDを非表示/違反報告)
シロ(プロフ) - 凜々子さん» 凜々子さん!!ありがとうございます!!一生から読み続けてくださり、その上嬉しいコメントも頂けて、感無量です!ちょっと本気で涙が出そうです!!私も私の作品に触れてくださっている読者さんが大好きです!!(迷惑だったらごめんなさい!) (2020年2月10日 10時) (レス) id: 6110f6241d (このIDを非表示/違反報告)
凜々子(プロフ) - 一章からずっと見続けてます!やっぱりとても面白いです!十星押しときました!これからも応援してます!めっっっちゃ好きです!(唐突の告白) (2020年2月10日 10時) (レス) id: 132cc7b19e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:シロ | 作成日時:2020年2月5日 23時