彼は神の子 悪魔の子 5章

...審判、俺の勝ちでいいな？ ページ13

そして、モニターに投票結果が表示される。

A) おお！！

審判) 投票の結果、倍率がA選手に偏りましたね！！
A選手に勝って欲しい方が多いんでしょうか！！

その結果を見て、Aはより上機嫌になり、ガンドはイライラし始めていた。

A) ここまで大勢から求められては仕方がないな！！お望み通り、俺がこの男を沈めてやろう！！

Aが得意気にそう言い放つと、会場が湧き上がる。同時にガンドの闘争心もMAXだ。血管が切れそうなほどピクついている。

実況) おっと、A選手、大胆な宣戦布告です！！ガンド選手を煽りますね！！
…えー、それでは3分3ラウンド
point&KO制、始め！！

実況の合図とともに、リングにいる審判も合図を出した。

ガン) おいおい、てめぇは見た目だけで贔屓されてんだよ！あんな、ど素人共の投票で勝ったぐれぇで調子に乗んない方が身のためだぜ！！

そう言いながら、キレたガンドは真正面からAに襲いかかる。しかし、Aはその場から動こうとせずため息をつく。

ガン) てめぇ、舐めてんじゃねぇぞ！！

Aはギリギリのところでガンドの攻撃を避け、またため息をつく。
その行動が余計にガンドの怒りを逆なでする。
しかし、無闇矢鱈に振り回されるガンドの攻撃をAが受けることはなく、ガンドのスタミナだけが消費されていく。

A) ﾊｧ 何だ、本当にそれだけなのか。全く無駄な時間を使ったな。

ガンドの息が上がるのを見てAはそう呟いた。
瞬間、ガンドの体が宙に舞う。
ガンドはわけも分からず視界には天井が映る。すぐ後に顎に非常に強い痛みを感じ、自信が顎を蹴り挙げられたことを自覚すると、同時に目の前には既にAの姿があり、Aは脇目も降らずガンドの頭を蹴り落とした。
ガンドは頭がもげそうな痛みを感じる暇もなくリングに頭から突き刺さった。

それまで騒がしくしていた会場全体があまりに一瞬の出来事に息を飲む。
実況も仕事を忘れてしまっている。

A) …審判、俺の勝ちでいいな？

Aがそう審判に聞くと、急に張り詰めていた糸が切れたかのように会場がまた動き出した。
歓声と叫び声、拍手喝采など様々な騒音が鳴り響いた。

実況) っ、すごい、スゴすぎる！！ここにまた1人超ド級の超新星が現れました！！本当に何が起こったのか分からなーい！！いつの間にか、ガンド選手が沈められております！！頭から地面に突き刺さっているのです！！

審判) …勝者、A！！

おお、あれ、探すの面倒だったからな！→←おお、これは、テンション上がるな！！

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