金なんて持ってないぞ? ページ46
イルミはだんだんと小さくなっていく少年の背中を眺めながら呟いた。
イル) 待ってて、A。
もう、遠慮しないから。
そう言って1人、屋敷に帰っていった。
その間もイルミは先程の、Aの誰かを恋しがって泣いているような顔が、頭から離れなかった。
イル) (あんな顔、俺ならさせない。)
Aの焦がれた相手が人ではないことも知らずに。
_____
A) キルア!
Aは勢いよくキルアの待っているというファミレスに入っていった。
キル) お!きたきた!こっちこっち!
キルアがAを手招きしている。
Aはキルアと向かい合って座り、ハイタッチをした。
キル) ほんと、サンキュな!
それで、あの後、兄貴にあったのか?
A) あぁ!あった。
俺が森に帰ってからの話とか沢山して楽しかったぞ!
キル) え、あの兄貴と?信じらんねぇ!あいつそんな話興味無いだろー。
キルアはそう言いながらジュースを飲む。
A) んー、いや、たまに反応もしてくれたし黙って話を聞いてくれてたぞ?
キル) ほぇー。。やっぱ、お前気に入られてんのなぁ…。。
キルアは感心したようにAを見つめた。
A) そうか?俺よりもキルアの方が大切にされてるじゃんか!
キル) え?
キルアの料理を食べる手が止まった。
A) イルミは、キルアのこと大事な弟って言ってた。だから、キルアのこと信頼してるけどやっぱ少し心配だから俺にキルアのことよろしくって!
そう言ってAは運ばれてきた料理を口にした。
A) うまっ!!
キル) (兄貴が??てっきり、家出がバレてないのかと思ってたけど、家出を知った上で見逃した?)
A) どうした?キルア。
キル) ん、いや、何でも。
(ま、何にしても俺はもうあの家には帰んねぇし。なんでもいっか。)
キルアはまた、料理を口に運び始めた。
_
A) フゥ、美味かった。
Aは例のごとく大量の皿を平らげて、一息ついた。
キルアは苦笑いしている。
キル) …いつも思うけど、お前の体のどこにその栄養いってんだよ。。
A) ん?これは、俺の生命エネルギーとして常に消費されてるんだよ!
キル) …。。
なんでもいいけどさぁ、この金誰がだすと思ってんだよ…
キルアは怒り気味でそう問掛ける。
A) …ご馳走様!
キル) っざけんな!
お前も持ち金全部出せよ!
A) ?金なんて持ってないぞ?
キル) ?!はぁぁ??
おっまえ、どうやってうち来たんだよ?!
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作者名:シロ | 作成日時:2019年11月3日 22時